東京都市大学を現役教員が徹底解説|偏差値・学費・就職と旧武蔵工大の現在地

東京都市大学アイキャッチ(2026年版) 私大上位校・大学別解説
  1. はじめに:東京都市大学は「武蔵工大の伝統と文理融合の幅」を併せ持つ大学
  2. 東京都市大学ってどんな大学?基本データ
    1. 沿革のハイライト(5つの転機)
  3. 8学部18学科の特徴と最新の改組
    1. 理工学部(世田谷)
    2. 建築都市デザイン学部(世田谷)― 東急沿線をフィールドにしたPBL
    3. 情報工学部(世田谷)― 都市大の最高難関・倍率8.0倍
    4. 環境学部(横浜)― 4工大唯一の独立した環境学部
    5. メディア情報学部(横浜)― 文理融合の「社会×情報」
    6. デザイン・データ科学部(横浜・2023年4月設置)― TAP直結の国際派
    7. 都市生活学部(世田谷)― 観光・ライフスタイル研究の文理融合
    8. 人間科学部(世田谷)― 幼児教育・保育のリーダー育成
    9. 創発デザイン工学環(2027年4月新設予定・設置構想中)
  4. キャンパス:世田谷と横浜、2拠点の使い分け
    1. 学部ごとのキャンパス配置
    2. 世田谷キャンパス(メインキャンパス)
    3. 横浜キャンパス(環境・メディア・デザインデータ科学拠点)
  5. 偏差値と難易度:4工大の中での「都市大ポジション」
    1. 学部別 偏差値(2026年度入試)
    2. 共通テスト得点率:「ボーダー」と「合格者実績」の2つの指標
      1. A. 共テボーダー得点率(2026年度・前期3教科型)
      2. B. 2025年度合格者得点率(実績)
    3. 4工大内での都市大ポジション
  6. 主な入試方式21の整理:自分に合う受け方を選ぶ
    1. 主な入試方式の分類
      1. 一般選抜(8方式)
      2. 共通テスト利用入試(4方式)
      3. 主な総合型・推薦型選抜
    2. 配点のポイント(一般選抜・前期3教科型)
    3. 試験日・合格発表・手続締切(2026年度)
    4. 総合型選抜が充実:他大学と併願可能で多彩な方式
      1. 主な総合型選抜の方式(2026年度)
      2. 併願ルール
      3. 「総合型で都市大を確保 → 国公立の二次対策に専念」という選び方
  7. 倍率と入試結果(2025年度実績)
    1. 学部別 倍率(2025年度・一般選抜・前期)
    2. 学科別の合格最低点(前期・300点満点)
    3. 学部別の女子比率の傾向
  8. 学費は4年で約670万円:奨学金で実質負担を減らす
    1. 4年間の学費総額(理工系学科の代表値)
    2. 学部による学費差
    3. 4工大内での学費比較(理工系学部の4年間総額目安)
    4. 主な奨学金制度
    5. 授業料分割納入制度
  9. 就職に強い理由:全体98.5%・東急グループとの連携
    1. 全体指標(2024年度卒業生/2025年公表データ)
      1. 4工大内ポジション
    2. 主要就職先(直近3カ年合計の上位企業)
    3. 公務員上位
    4. 東急グループとの連携
  10. 国際性と研究:TAP(豪州プログラム)と総合理工系の研究力
    1. 国際性
      1. 海外協定校 53校
      2. TAP(Tokyo City University Australia Program)
      3. その他の国際プログラム
      4. SGU指定校としての位置づけ
    2. 研究力(最新の取り組み)
    3. 最新トピックス:「都市を舞台にイノベーションを起こす大学」へ
      1. ① 中期ビジョン「アクションプラン2030」とタグライン
      2. ② 「ゲームチェンジ時代」への対応:文理融合教育を全学規模で
      3. ③ 卒業生ネットワーク「武蔵工大時代からの第一線で活躍するOB/OGの協力」
  11. 武蔵工大改称の影響と都市大の校風
    1. 校風の特徴:堅実・実学・就職重視
    2. 「武蔵工大改称」のメリットとデメリット
      1. メリット
      2. デメリット
    3. 上位理系大学全般に共通する事情(教員目線)
  12. よくある質問
    1. Q1. 東京都市大学は何キャンパスですか?
    2. Q2. 情報工学部はどのキャンパスですか?
    3. Q3. 東京都市大学と東京都立大学、よく間違えるんですが…?
    4. Q4. 東京都市大学と芝浦工業大学、どっちを選ぶべき?
    5. Q5. 奨学金は本当に充実してるの?
    6. Q6. 100周年(2029年)に向けたビジョンは?
    7. Q7. MARCHとどっちがいいの?
    8. Q8. 推薦入試・総合型選抜はどうなっている?
  13. まとめ:都市大はどんな受験生に向くか
    1. 都市大が向く受験生の3タイプ
    2. 学費・奨学金の総合判断
    3. 出願戦略のコツ
    4. もっと比較したい人へ
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  14. 注記

はじめに:東京都市大学は「武蔵工大の伝統と文理融合の幅」を併せ持つ大学

「東京都市大学って、どんな大学なんですか?」

進路面談でこんな質問を受けると、私はいつも少し時間をいただきます。

なぜなら、この大学は 名前から想像する姿と実像のギャップ が大きいからです。

「都市」という言葉から、文系寄りの新しい大学を思い浮かべる方も多いでしょう。

しかし実際は、1929年創立の 武蔵高等工科学校 を源流とする 理工系の伝統校 であり、2009年に「武蔵工業大学」から改称した、4工大の一翼を担う大学です。

みお

都市大って新しくできた大学だと思っていました。意外と歴史があるんですね。

しゅん

4工大の一つって聞いたことはあるけど、芝浦と何が違うのかは正直わかっていません。

さくら先生

いい質問です。今日は「武蔵工大の理工系伝統」と「現代の文理融合・総合大学化」という二つの顔を持つ東京都市大学の現在地を、一緒に見ていきましょう。

この記事では、現役の理系教員として15年間進路指導をしてきた立場から、東京都市大学の最新データを整理します。

偏差値・入試方式・倍率・学費・奨学金・就職実績・国際性に加えて、「4工大の中での独自ポジション」までまとめました。

なお、4工大全体の比較・1校目の芝浦工業大学については、別記事で詳しく扱っています。

これら4記事と合わせて読むと、東京都市大学の立ち位置がさらにクリアになります。

📌 この記事は詳しく解説しているため、必要なところから読んでください。

受験生はまず「偏差値」「入試方式」「倍率」「まとめ」へ。
総合型選抜を考えている方は「総合型選抜が充実」「国公立併願戦略」「FAQ」を先に確認すると効率的です。
保護者の方は「学費」「就職」「延納制度」「校風」も確認すると、全体像がつかみやすくなります。

本記事でいう「文理融合・総合大学化」とは:東京都市大学が、旧・武蔵工業大学からの理工系伝統を土台に、環境・情報・都市生活・人間科学・データサイエンスへ学部を広げ、4工大の中で最も学部数が多い構成(8学部18学科) を持っている、という意味で使っています。理工系単科大としての性格を捨てたわけではなく、理工系を核に幅を広げた、と理解してください。


東京都市大学ってどんな大学?基本データ

まずは大学の輪郭をつかみましょう。

項目 内容
正式名称 東京都市大学(Tokyo City University/略称TCU)
創立 1929年(前身:武蔵高等工科学校)
大学設置 1949年(武蔵工業大学として)
改称 2009年(武蔵工業大学→東京都市大学)
創立者 五島慶太ほか(1955年に学校法人五島育英会へ統合)
建学の精神 公正・自由・自治
経営母体 学校法人 五島育英会(東急グループ系)
100周年 2029年
学部構成 8学部18学科
総学生数 8,495名(2025年5月1日現在/学部7,506名+大学院972名+移行措置17名)
留学生数 215名(学部100名+大学院115名)
海外協定校 53校
専任教員 304名(兼任271名)
キャンパス 世田谷・横浜(旧・等々力キャンパスは2022年4月に世田谷へ統合)
東京都市大学 100年の歩み(1929-2029)

沿革のハイライト(5つの転機)

  • 1929年武蔵高等工科学校 として創立(電気・土木・建築の3工学科)
  • 1955年五島育英会(東急グループ系)に統合
  • 2009年:創立80周年を機に「武蔵工業大学」と東横学園女子短期大学を統合・東京都市大学 へ改称(同時に人間科学部・都市生活学部を新設)
  • 2020年〜2023年:工学部を理工学部へ/建築都市デザイン学部・デザイン・データ科学部を新設/知識工学部を情報工学部へ
  • 2027年〜2029年創発デザイン工学環 新設予定(2027年4月・募集80名)→ 創立100周年(2029年)
みお

「東急グループ系」って、あの東急電鉄の東急ですか?

さくら先生

そうです。1955年に経営母体が五島育英会(東急グループ)になりました。だから今でも、東急電鉄・東急建設・東急住宅リースなどとの産学連携やインターンシップが行われているんですよ。

つまり東京都市大学は、「歴史ある理工系大学」と「東急グループの経営支援を受ける文理融合大学」という二つの顔を持っています。

この組み合わせは、4工大の中でも都市大だけの強みです。


8学部18学科の特徴と最新の改組

東京都市大学には 8学部18学科 があります。

これは4工大の中で 最も学部数が多い構成 であり、理工系から文理融合系まで幅広くカバーしています。

理工学部(世田谷)

旧・武蔵工業大学時代からの中心的な学部です。

2020年4月に「工学部」から「理工学部」へ名称変更されました。

7学科 で、機械・電気・化学・原子力・自然科学を網羅しています。

学科 主な分野
機械工学科 機械力学・材料・熱流体
機械システム工学科 ロボット・メカトロニクス
電気電子通信工学科 電気・電子・通信
医用工学科 医療機器・生体計測
応用化学科 化学・材料・環境化学
原子力安全工学科 原子力工学・放射線安全
自然科学科 物理・化学・生物の融合

★注目ポイント

  • 大学院進学率43.4% は4工大の中でも高水準。学部卒業後にじっくり研究を続けたい人に向く
  • 原子力安全工学科 は4工大の中で唯一の専門学科。福島第一原発事故後の社会的要請を受けて開設された、エネルギー・放射線・安全工学の希少分野
  • 三菱電機・本田技研工業・いすゞ自動車・富士電機など、メーカーの研究開発・設計部門への就職実績 が豊富
  • 医用工学科は 女子比率約40% と、理工系では珍しく女子学生が多い学科

建築都市デザイン学部(世田谷)― 東急沿線をフィールドにしたPBL

2020年4月に新設された、都市・建築・土木系の学部です。

  • 建築学科:建築設計・構造・環境
  • 都市工学科:交通・防災・都市計画

★注目ポイント

  • 旧・武蔵工業大学時代からの 建築・土木の伝統校 として、業界での認知が厚い
  • 主要就職先に 大成建設・清水建設・大林組 などの大手ゼネコンが並ぶ
  • 東急沿線をフィールドにしたPBL(課題解決型学習) を実施。鉄道・住宅・商業施設の現場で都市開発を学べる
  • 建築学科の偏差値55.0/合格最低点67.9% で、都市大の中では情報科学に次ぐ難関

情報工学部(世田谷)― 都市大の最高難関・倍率8.0倍

2020年4月に「知識工学部」から名称変更された情報系学部です。

世田谷キャンパスで4年間学ぶ 体制になっています。

  • 情報科学科:データサイエンス・AI
  • 知能情報工学科:ソフトウェア・システム工学

★注目ポイント

  • 倍率8.0倍 / 共テ利用前期3教科型の合格者得点率 85.2% / 合格最低点68.8%(300点満点)と、都市大で最も入りにくい学部
  • 4工大全体で見ても情報系最難関の一つで、芝浦の情報・通信工学課程と並ぶ水準
  • 「創作ソフトウェア入試」 という独自の総合型選抜あり。自作プログラムのプレゼンで合否が決まる、エンジニア志望にうれしい入試方式
  • 主要就職先:富士ソフト・NEC・NTTデータグループ・三菱電機など

環境学部(横浜)― 4工大唯一の独立した環境学部

1997年に環境情報学部として開設、その後改組されました。

4工大の中で「環境」を冠した独立学部を持つのは都市大だけです。

  • 環境創生学科:自然環境・生態学
  • 環境経営システム学科:環境ビジネス・SDGs

★注目ポイント

  • JICA長期研修生「SDGs Global Leadership Program」 の受け皿になっており、アジア各国から留学生が学びにくる国際的な研究環境
  • 環境経営システム学科は環境ビジネス・コンサル志望の文理融合層に向く
  • 倍率は3.0〜3.2倍と都市大の中では入りやすく、「環境×SDGsを学びたい層の穴場」

メディア情報学部(横浜)― 文理融合の「社会×情報」

文理融合系の学部で、社会と情報を結ぶ学びを提供しています。

  • 社会メディア学科:メディア・コミュニケーション
  • 情報システム学科:情報技術・システム設計

★注目ポイント

  • 社会メディア学科は 女子比率約40〜50% と、理工系の中ではかなりバランスがよい
  • 情報システム学科は 2教科型入試(数学+英語)で受験可能。「数Ⅲ・理科が不要」 で受けられる珍しい情報系学科
  • TOPPANホールディングス・富士ソフト・NTTドコモなど、情報・メディア・広告系への就職に強い

デザイン・データ科学部(横浜・2023年4月設置)― TAP直結の国際派

2023年4月に新設された、都市大の 新しい学部 です。

1学科制で、デザイン思考とデータサイエンスを統合した教育を行います。

  • デザイン・データ科学科

★注目ポイント

  • 全学部の中で 最も国際志向の強い設計。TAP(豪州留学・後述)と連動し、希望者は 約4ヶ月のオーストラリア留学 を体験できる(留学時期は大学指定のサイクルA/Bに振り分け)
  • ※TAP参加には 別途留学費用 が必要(2025年度実績:約135万円/2026年度は約145万円・年度により変動するため最新の公式TAPサイトでご確認を)
  • 「創造デザイン入試」 という総合型選抜あり。課題レポートとプレゼンで合否が決まる
  • 偏差値47.5・倍率2.9倍と都市大の中では入りやすく、「データサイエンス×グローバル」を狙う穴場学部

都市生活学部(世田谷)― 観光・ライフスタイル研究の文理融合

文理融合の文系寄り学部で、都市計画・観光・ライフスタイル研究を扱います。

2022年4月に等々力キャンパスから世田谷キャンパスへ移転しました。

  • 都市生活学科

★注目ポイント

  • 女子比率約55% と、都市大の中で 女子が過半数 の学部
  • 東急沿線を題材にした 観光・商業施設・地域マーケティング のフィールドワークが豊富
  • 文系受験生でも数学を使わず受験できる方式があり、進路の選択肢として広い

人間科学部(世田谷)― 幼児教育・保育のリーダー育成

幼児教育・初等教育を中心に学ぶ学部です。

2022年4月に等々力から世田谷へ移転、2023年4月に「児童学科」から「人間科学科」へ名称変更されました。

  • 人間科学科(2023年4月、児童学科から名称変更)

★注目ポイント

  • 女子比率約80%以上 と、都市大の中で最も女子が多い学部(旧・児童学科の伝統)
  • 保育士・幼稚園教諭の資格取得 が可能(保育士実習費70,000円・幼稚園教諭実習費50,000円が別途必要)
  • 主要就職先:横浜市役所・東京都庁・神奈川県庁などの 公務員、保育園・幼稚園
  • 児童学コースと人間総合科学コースの2つで、教育現場のリーダー人材を育成

創発デザイン工学環(2027年4月新設予定・設置構想中)

東京都市大学が 2027年4月の新設に向けて準備を進めている 学部相当の新組織です。

  • 募集人員:80名
  • 正式名称:創発デザイン工学環(School of Design Engineering)
  • 連係協力学部:理工学部・建築都市デザイン学部・情報工学部 の3学部
  • 学部横断の新制度「学部等連係課程」として、文部科学省の枠組みで設置

特徴:工学的な専門知識(縦糸)と、デザイン思考・情報活用能力(横糸)を組み合わせ、「イノベーション創発」と「社会実装」 に重点を置くカリキュラム。3Dプリンタ・工作機器・映像設備などを備えた「デザインスタジオ(仮称)」を拠点に、課題発見〜試作〜検証のサイクルを実践的に学べます。

※2026年5月時点で設置構想中。最新の認可状況・募集要項は公式サイトでご確認ください。

しゅん

8学部もあるんですね。芝浦は4学部だったから、ずいぶん幅が違います。

さくら先生

そこが都市大の特徴です。理工系単科大ではなく、環境・メディア・デザイン・人間科学まで網羅した「文理融合・総合大学化」を進めてきた結果です。同じ4工大でも、芝浦は理工系特化、都市大は文理融合の幅、というキャラクターの違いがあります。


キャンパス:世田谷と横浜、2拠点の使い分け

東京都市大学 世田谷・横浜キャンパス比較

東京都市大学のキャンパスは現在 2拠点(世田谷・横浜) に集約されています。

かつての等々力キャンパスは、2022年4月に都市生活学部・人間科学部が世田谷キャンパスへ移転したことで、学部教育の中心としての役割を終えました。

学部ごとのキャンパス配置

キャンパス 主な学部
世田谷キャンパス 理工学部、建築都市デザイン学部、情報工学部、都市生活学部、人間科学部
横浜キャンパス 環境学部、メディア情報学部、デザイン・データ科学部

芝浦工業大学は学部によってキャンパス移動がありましたが、東京都市大学は 入学から卒業まで同じキャンパス に通うのが基本です。

世田谷キャンパス(メインキャンパス)

  • 所在地:東京都世田谷区玉堤1-28-1
  • 最寄駅:東急大井町線「尾山台」駅 徒歩12分
  • 開設:1939年(武蔵高等工業学校時代)
  • 主な学部:理工学部、建築都市デザイン学部、情報工学部、都市生活学部、人間科学部(5学部)
  • 特徴:旧・武蔵工業大学時代からの中心キャンパス。23区内私立理工系として広い敷地を持ち、渋谷・自由が丘・二子玉川へのアクセスも良好。2022年に等々力からの2学部移転で、文理融合の総合キャンパスへと姿を変えました。

横浜キャンパス(環境・メディア・デザインデータ科学拠点)

  • 所在地:神奈川県横浜市都筑区牛久保西3-3-1
  • 最寄駅:横浜市営地下鉄「センター北」駅 徒歩5分
  • 開設:1997年(環境情報学部の開設に合わせて)
  • 主な学部:環境学部、メディア情報学部、デザイン・データ科学部(3学部)
  • 特徴:港北ニュータウン内に位置する近代的キャンパス。環境・メディア・データサイエンス系の拠点で、新しい学部展開の舞台になっています。
みお

等々力キャンパスはもう使われていないんですか?

さくら先生

学部教育の中心としては2022年に役目を終えました。今は世田谷と横浜の2拠点で、学部選び=どちらのキャンパスに通うかとほぼ同じ意味になります。オープンキャンパスは志望学部のキャンパスを必ず訪れて、通学距離を実感しておきましょう。


偏差値と難易度:4工大の中での「都市大ポジション」

東京都市大学 偏差値マップ(4工大ポジション)

ここから受験生が一番気になる、偏差値の話に入ります。

学部別 偏差値(2026年度入試)

学科 偏差値(前期)
情報工学部 情報科学科・知能情報工学科 55.0 ⭐ 都市大屈指
建築都市デザイン学部 建築学科 55.0
理工学部 応用化学科 55.0
建築都市デザイン学部 都市工学科 52.5
理工学部 電気電子通信工学科・医用工学科・自然科学科 52.5
理工学部 機械工学科・機械システム工学科・原子力安全工学科 50.0
メディア情報学部 情報システム学科 50.0
都市生活学部 都市生活学科 50.0
環境学部 環境創生学科 47.5
メディア情報学部 社会メディア学科 47.5
デザイン・データ科学部 デザイン・データ科学科 47.5
環境学部 環境経営システム学科 45.0
人間科学部 人間科学科 45.0

※出典:河合塾Kei-Net「2026年度入試 方式別ランク(前期)」(取得日2026年5月11日)。模試・予備校により値が異なるため、必ず受ける予定の模試の偏差値表で確認してください。

共通テスト得点率:「ボーダー」と「合格者実績」の2つの指標

東京都市大学を共通テスト利用で受ける場合、似て非なる2つの数字があります。両者は別物なので、混同しないように区別しておきましょう。

A. 共テボーダー得点率(2026年度・前期3教科型)

予備校が予想する「合格可能性50%ライン」の目安です。

学科 ボーダー得点率
情報科学科 77% ⭐都市大最高
知能情報工学科 76%
応用化学科 75%
情報システム学科 75%
建築学科 74%
機械工学科・自然科学科 73%
機械システム工学科・社会メディア学科 72%
電気電子通信工学科・医用工学科・都市工学科・都市生活学科・デザイン・データ科学科 71%
環境創生学科・環境経営システム学科 69%
原子力安全工学科 68%
人間科学科 66%

※出典:河合塾Kei-Net「2026年度入試 共通テストボーダーランク」(取得日2026年5月11日)。

B. 2025年度合格者得点率(実績)

実際に2025年度に合格した受験生の得点率です。ボーダーより高めに出るのが通常です。

学科 合格者得点率(実績)
情報科学科 85.2% ⭐実績最高
知能情報工学科 81.5%
応用化学科 80.0%
建築学科 79.7%
情報システム学科 78.3%
自然科学科 76.4%
都市工学科・社会メディア学科 76.0%

※出典:東京都市大学公式「2025年度入試結果」共通テスト利用入試・前期3教科型(取得日2026年5月10日)。

※情報科学科の例:Kei-Netボーダー77% vs 公式実績85.2%=約8ポイント差。「ボーダー」は安全圏ではなく、五分五分の通過ラインです。出願戦略を立てるときは両方の数字を見比べてください。

4工大内での都市大ポジション

4工大の難易度・特性は、おおむね次のように整理できます。

都市大の位置づけ
偏差値帯の目安 芝浦に次ぐ水準 の学科が多い
学部の幅 4工大で最も広い(8学部18学科)
立地 新宿直結の工学院とは異なり、住宅街型・郊外型 キャンパスが中心
専門「電機・電子」ブランド 東京電機大が強い領域。都市大は理工学部内に分散
有名企業400社実就職率 4工大内で2番手(芝浦41.2%>都市大25.9%>電機25.5%>工学院24.9%)

つまり都市大は 「偏差値帯・有名企業就職指標で芝浦に次ぐ水準」「学部の幅では4工大で最も広い」 という独自ポジションを持っています。

しゅん

情報科学科って、ボーダー77%と実績85%でけっこう差がありますね。

さくら先生

そこが見落とされがちなポイントです。ボーダーは「五分五分のライン」、実績は「実際の合格者の平均的な得点率」です。合格を狙うなら、ボーダーより少し上を目標にしましょう。情報系志望なら、芝浦と都市大の両方を視野に入れる併願が定番です。


主な入試方式21の整理:自分に合う受け方を選ぶ

東京都市大学の入試方式は 21方式 あり、4工大の中でも種類が豊富です。

名前だけ見ると複雑ですが、整理するとパターンが見えてきます。

主な入試方式の分類

一般選抜(8方式)

  • 前期 3教科型 / 2教科型
  • 前期 探究問題・共テ併用型 / 情報問題・共テ併用型
  • 中期 3教科型 / 2教科型
  • 後期 2教科型 / 小論文・共テ併用型

共通テスト利用入試(4方式)

  • 前期 3教科型 / 5教科基準点型 / 6教科基準点型
  • 後期 6教科型

主な総合型・推薦型選抜

  • 総合型選抜(1段階方式・2段階方式)⭐都市大の強み
  • 帰国生徒選抜
  • 学校推薦型選抜(指定校・公募)

配点のポイント(一般選抜・前期3教科型)

最も募集人数が多いのは 前期3教科型 です。

配点は300点満点 です。

  • 数学 100点(数Ⅰ・Ⅱ・・A・B(数列)・C(ベクトル、平面上の曲線と複素数平面)/記述式
  • 理科 100点(物理3題・化学3題・生物3題=9題から任意3題選択/マーク+記述)
  • 英語 100点(マーク+記述/外部英語試験の利用可否は方式により異なるため、最新要項を確認してください)

※都市大の理科は、4工大の中で唯一「9題から任意3題選択」できる方式です。
たとえば「化学だけ3題」「化学2題+物理1題」のように、得意分野で勝負できる柔軟性があります。

試験日・合格発表・手続締切(2026年度)

主要方式の日程を一覧にまとめます。

方式 出願期間(消印有効) 試験日 合格発表 入学手続期限
一般選抜・前期3教科型/2教科型 1/5(月)〜1/21(水)17:00 2/1(日)・2/2(月)・2/3(火) 2/12(木) 2/19(木)
一般選抜・前期 探究問題/情報問題(共テ併用) 1/5(月)〜1/21(水)17:00 2/4(水) 2/12(木) 2/19(木)
一般選抜・中期 〜2/13(金) 2/20(金) 2/25(水) 3/2(月)
一般選抜・後期2教科型/小論文(共テ併用) 〜2/26(木) 3/4(水) 3/9(月) 3/12(木)
共通テスト利用 前期 〜1/16(金) 共テ本試験日(1/17〜18) 2/12(木) 2/19(木)
共通テスト利用 後期 〜3/10(火) 共テ本試験日 3/18(水) 3/24(火)

※出典:東京都市大学 公式入試要項PDF(取得日2026年5月12日)。

※国公立大学併願者は所定の延納手続きにより、入学金以外の納入を延期可能(最大3月24日まで)。

みお

理科が9題から3題選べるって珍しいですよね。

さくら先生

4工大の中では都市大だけです。化学が得意なら3題全部化学、物理と化学を併用するなら2題+1題、というように、自分の得意な分野に絞って勝負できる仕組み。受験前には必ず赤本で過去問を解いて、どの組み合わせが安定するか試しておきましょう。

総合型選抜が充実:他大学と併願可能で多彩な方式

東京都市大学は、4工大の中でも 総合型選抜に力を入れている 大学です。

特徴的なのは 他大学との併願が可能 な点と、学部・学科の特性に合わせた多彩な入試方式 が用意されている点です。

主な総合型選抜の方式(2026年度)

方式 対象学部・学科 特徴
学際探究入試 理工学部7学科 「ひらめき」プログラム連接/タイプ1(探究枠)・タイプ2(女子枠)・タイプ3(電気電子通信 国際志向枠)の3タイプ
創作ソフトウェア入試 情報工学部2学科 自作ソフトウェアのプレゼンで評価
創造デザイン入試 デザイン・データ科学科 課題レポート+プレゼンで評価
原子力人材入試 理工学部 原子力安全工学科 都市大ならではの希少分野入試
人間科学探究総合入試 人間科学部 子どもや教育に関心がある受験生向け

※出典:東京都市大学「2026年度 総合型選抜(1段階選抜制)」要項(取得日2026年5月11日)。

併願ルール

  • 他大学との併願は可能
  • 学内他学科との併願は不可
  • 同一試験日に実施する別入試の重複出願は不可
  • 本学の 総合型選抜(2段階選抜制)と学校推薦型選抜(公募制)との併願受験が可能

つまり都市大の総合型選抜は、「滑り止めではなく挑戦校としても受けられる」 設計になっています。

ひらめきプログラムや女子枠など、従来の学力試験だけでは測れない適性 を活かしたい受験生にとって、有力な選択肢です。

「総合型で都市大を確保 → 国公立の二次対策に専念」という選び方

数としては多くありませんが、近年、進路指導の現場で見かけるようになったのが、「総合型選抜で東京都市大学の合格を11〜12月に確保し、その後は国公立大学の二次試験対策に専念する」 というケースです。

背景には、私立大学を複数受験することへの費用負担(検定料・受験旅費・宿泊費)があります。

私立を一校先に確保しておけば、年明け以降は私立の一般入試への出願校数を絞り込めるため、家計の負担を抑えながら、本命の国公立対策に時間とエネルギーを集中 できる、という発想です。

##### この選び方を後押しする「2つの制度」

都市大が国公立志望者の併願先として選ばれる背景には、受験生・保護者にとって使いやすい2つの制度 があります。

① 総合型選抜が他大学と併願可能

多くの私立大学の総合型選抜は「専願(合格したら必ず入学)」が原則ですが、都市大の総合型は他大学と併願できる ため、国公立を第一志望にしたまま私立の合格を1枚キープできます。

② 国公立併願者向けの延納手続き(最大3月24日まで)

都市大には 「入学手続期限までに入学金(20万円)のみ納入し、延納申請を行えば、授業料・諸会費等の最終納入を最大3月24日まで延期できる」 という制度があります。

つまり、国公立の合格発表(多くは3月中旬)を確認してから、最終的に都市大へ進学するか辞退するかを決められる わけです。

3月24日は国公立の中後期日程の合格発表後にあたるため、国公立に合格した場合、入学金20万円は必要ですが、授業料・諸会費等を納める前に辞退判断ができます。受験生・保護者にとって心強い制度です。

##### 注意点

ただし、これはあくまで 一部の受験生に見られる選び方 です。

多くの場合、総合型選抜で合格した大学にそのまま進学するケースが大半ですから、「滑り止め前提で総合型を受ける」と短絡的に考えるのではなく、合格した大学に進学する覚悟を持って出願する のが大前提です。

その上で、国公立志望で私立は1校だけ早めに決めたい受験生にとって、「総合型での合格+延納制度」の組み合わせ は、費用面でも時間面でも本命対策に集中するための有力な選択肢になり得ます。

しゅん

都市大の総合型って、他の大学と併願できるんですね。

さくら先生

そこが大きな特徴です。多くの私立大学の総合型選抜は「専願(合格したら必ず入学)」が原則ですが、都市大は 併願可能 なので、第一志望が他大学でも挑戦できます。理工学部の「女子枠」や「探究枠」、情報工学部の「創作ソフトウェア入試」など、学力試験以外の強みを活かせる方式が豊富です。


倍率と入試結果(2025年度実績)

倍率は「人気の指標」と「合格しやすさの指標」を兼ねます。

2025年度の実績を見ておきましょう。

学部別 倍率(2025年度・一般選抜・前期)

学部 志願者 受験者 合格者 実質倍率
理工学部 4,299 4,125 901 4.6倍
建築都市デザイン学部 1,798 1,725 275 6.3倍
情報工学部 1,762 1,682 209 8.0倍 ⭐ 都市大最高難関
メディア情報学部 866 840 183 4.6倍
環境学部 757 733 234 3.1倍
都市生活学部 550 538 131 4.1倍
デザイン・データ科学部 246 241 84 2.9倍
人間科学部 197 187 85 2.2倍

※出典:東京都市大学公式「2025年度入試結果」学部別ページ(取得日2026年5月11日)。

※情報工学部 情報科学科の倍率は 8.0倍超 と都市大の中で最も高く、4工大の中でも難関学部の一つです。一方、人間科学部は2.2倍、デザイン・データ科学部は2.9倍と入りやすい学部もあり、学部によって難易度が大きく異なります。

学科別の合格最低点(前期・300点満点)

学科 合格最低点 得点率
情報科学科 206.26 68.8% ⭐都市大最高
建築学科 203.80 67.9%
応用化学科 203.54 67.8%
知能情報工学科 201.96 67.3%
自然科学科 191.06 63.7%
機械システム工学科 186.86 62.3%
都市工学科 186.76 62.3%

学部別の女子比率の傾向

東京都市大学は伝統的に男子比率が高い大学ですが、学部によって大きく異なります。

学部全体では 女子学生は2,189名/7,506名(29.2%) です。

学部 女子比率の傾向
理工学部 機械系・電気系 約10%
理工学部 医用工学科 約40%(女子比率が比較的高い)
建築都市デザイン学部 約25〜30%
環境学部 約30%
メディア情報学部 約40〜50%
都市生活学部 約55%(女子過半数)
人間科学部 約80%以上(旧・児童学科の特性)
みお

都市大は学部によって全然女子比率が違うんですね。

さくら先生

そうなんです。理工系学部では男子中心ですが、メディア情報・都市生活・人間科学は女子比率が高い。女子比率やキャンパスの雰囲気を重視する場合は、学部ごとの差を確認するとよいです。オープンキャンパスで実際の雰囲気を見ておくこともおすすめします。


学費は4年で約670万円:奨学金で実質負担を減らす

東京都市大学 学費+奨学金(4工大比較)

ここからは、学費と奨学金をセットで見ていきます。

受験生本人より、保護者にとって最重要のセクションかもしれません。

4年間の学費総額(理工系学科の代表値)

ここで示す数字は、理工学部・建築都市デザイン学部・情報工学部の代表値 です。学部により学費に差があるため、最新情報は公式サイトで確認してください。

学年 年間納入金
1年次 1,862,000円(入学金20万円+授業料1,602,000円+諸会費6万円)
2年次 約1,612,000円(授業料1,602,000円+校友会1万円)
3年次 約1,612,000円
4年次 約1,612,000円
4年間合計 約6,698,000円(約670万円)

学部による学費差

学部 4年間総額目安 理工系との差
理工学部・建築都市デザイン学部・情報工学部 約670万円
環境学部・メディア情報学部・デザイン・データ科学部 約591万円 -79万円
都市生活学部 約550万円 -120万円
人間科学部 約543万円 -127万円

※公式サイト「学費」ページ(取得日2026年5月11日)の年次別納入金から算出。

※デザイン・データ科学部は別途 TAP留学費用 が必要です(2025年度実績:1,350,000円/2026年度は約1,450,000円・年度により変動)。これに加え、留学中も本学の授業料は別途必要で、現地生活費等も含まれません。最新の金額・条件は公式TAPサイトでご確認ください。

4工大内での学費比較(理工系学部の4年間総額目安)

大学 4年間総額目安 都市大との差
東京都市大学 約670万円
工学院大学 約643万円 -27万円
東京電機大学 約628万円 -42万円
芝浦工業大学 約655万円 -15万円

※あくまで理工系学部の代表値。年度・学部・諸会費の有無で差が出るため、出願時は各大学公式サイトを確認してください。

都市大は4工大の中で 学費がやや高め に位置します。

学費の差は、学部構成・実験設備・施設費・諸会費の扱いなどで変わります。

単純な金額だけでなく、学びたい内容や教育環境も含めて比較しましょう。

しゅん

思ったより4工大の学費差は小さいですね……。

さくら先生

そうなんです。4年間で見ても15〜40万円程度の差にとどまります。ただし都市大には独自の奨学金制度や授業料分割納入制度があり、家計事情に応じて選択肢を持てます。デザイン・データ科学部だけは留学費用が別途必要なので、そこは注意してください。

主な奨学金制度

東京都市大学には以下のような奨学金制度があります。

  • 後藤・安田記念東京都市研究所 奨学金:給付型
  • 東京都市大学 五島育英会奨学金:貸与型
  • 学業成績優秀者奨学金:成績優秀者へ授業料一部減免
  • 東京都市大学育英奨学金:家計急変・経済困窮者向け
  • 国の制度:高等教育の修学支援新制度(給付+減免)/JASSO第一種・第二種

※各制度の最新の対象者・金額・選考条件は、必ず東京都市大学公式サイトの奨学金ページでご確認ください。

授業料分割納入制度

入学手続時に 約106万円のみ 納入し、残額(約80万円)を10月20日までに納入できる制度があります。

受験生家庭の負担軽減に配慮された設計で、4工大の中でも都市大独自の制度です。


就職に強い理由:全体98.5%・東急グループとの連携

東京都市大学 有名400社実就職率 全国34位(25.9%)

東京都市大学のもう一つの強みは、就職実績の高さです。

全体指標(2024年度卒業生/2025年公表データ)

指標 数値
学部全体就職率 98.5%
女子就職率 99.2%
有名企業400社実就職率 25.9%
全国順位 34位

※全体就職率は東京都市大学公式PDF「2024年度進路決定状況」(2025年5月1日基準)より。

※有名企業400社実就職率は 大学通信オンライン「2025年有名企業400社実就職率ランキング」(2024年度卒業生対象) による集計値です。

4工大内ポジション

大学 有名企業400社実就職率 全国順位
芝浦工業大学 41.2% 7位
東京都市大学 25.9% 34位
東京電機大学 25.5% 36位
工学院大学 24.9% 37位

※出典:大学通信オンライン「2025年有名企業400社実就職率ランキング」(取得日2026年5月8日)。

理工系大学らしく、学部卒業後に大学院へ進学する学生も一定数います。学部・学科によって進学率には差があり、特に理工学部の進学率が高いのが特徴です。

学部 大学院進学率(2024年度卒業生)
学部合計 26.8%
理工学部 43.4%
建築都市デザイン学部 34.5%
情報工学部 30.8%
都市生活学部 14.4%
環境学部 9.1%
メディア情報学部 7.4%
人間科学部 0.0%(旧・児童学科の特性)

※出典:東京都市大学公式PDF「2024年度進路決定状況」(取得日2026年5月10日)。

主要就職先(直近3カ年合計の上位企業)

順位 企業名 採用人数
1 三菱電機 38名
2 TOPPANホールディングス 33名
3 大成建設 30名
4 富士ソフト 30名
5 日本電気(NEC) 29名
6 いすゞ自動車 29名
7 東京電力ホールディングス 28名
8 富士電機 27名
9 清水建設 27名
10 本田技研工業(Honda) 25名

公務員上位

自治体 採用人数(3カ年合計)
横浜市役所 23名
東京都庁 13名
神奈川県庁 11名
世田谷区役所 11名

東急グループとの連携

東京都市大学が他の3工大と差別化できるポイントの一つが、東急グループとの連携 です。

  • 東急電鉄・東急建設・東急住宅リース・東急コミュニティーなどとの インターンシップ が公式に整備されている
  • 都市開発・鉄道・沿線価値創造に関わる学びと 直結する就職機会
  • 都市生活学部・建築都市デザイン学部では、東急沿線をフィールドにした PBL(課題解決型学習) も実施

東急グループとのつながりは「就職で自動的に有利」というより、「都市開発・インフラ系を学ぶ環境として親和性が高い」と理解するのが正確です。

しゅん

三菱電機とかNECとか、知ってる大企業がたくさん並んでいます。

さくら先生

芝浦は大手メーカー・研究開発系の強さが目立ち、都市大は製造業に加えて建設・インフラ・公務員もバランスよく見せやすい就職傾向です。建設・公務員志望の方には都市大の選択肢が広がる場面もあるんですよ。


国際性と研究:TAP(豪州プログラム)と総合理工系の研究力

東京都市大学 TAP・国際プログラム図解(サイクルA/B制)

「就職に強い」と言われがちな東京都市大学ですが、国際性と研究力でも独自の強みを持っています。

国際性

海外協定校 53校

地域 校数 主要校
アジア 32 タマサート大/マヒドン大/デラサール大/MJIIT
ヨーロッパ 9 スウェーデン王立工科大(KTH)
オセアニア 6 エディスコーワン大/カーティン大/マードック大
北アメリカ 4 パデュー大
アフリカ 2

TAP(Tokyo City University Australia Program)

東京都市大学を象徴する国際プログラムが TAP です。

TAPは、全8学部の学生を対象とした希望制のオーストラリア留学プログラム です。年間定員は600名で、サイクルA・サイクルBそれぞれ300名ずつに分かれます。

参加希望者は入学時に仮登録を行い、1年次に国内で語学準備教育を受けます。公式サイトでは 語学準備講座100日/留学期間約4ヶ月 とされています。

留学時期は所属学部・学科によって指定され、学生が自由に選ぶことはできません。

  • サイクルA(1年次2月〜2年次5月ごろ/定員300名)

 環境学部、メディア情報学部、デザイン・データ科学部、都市生活学部、人間科学部

  • サイクルB(2年次8月〜11月ごろ/定員300名)

 理工学部、建築都市デザイン学部、情報工学部、デザイン・データ科学部

留学先はオーストラリア・パースにある エディスコーワン大学またはマードック大学 で、派遣先大学も本学が決定します(学生は選べません)。

2026年度の参加費は 約145万円(本学に支払う参加費115万円+指定旅行代理店に支払う約30万円)。なお、留学中も東京都市大学の授業料は別途必要で、現地生活費など参加費に含まれない費用もあります。

※TAPは「全員必修」ではなく、年間定員600名の希望制プログラムです。希望者数が定員を超える場合は選考があります。最新の金額・条件は公式TAPサイト(tap.tcu.ac.jp)でご確認ください。

その他の国際プログラム

TAP以外にも、ATAP(QUTでのディプロマコース約4ヶ月)、AOFUAサマーキャンプ(アジア大洋州5大学連合)、新コロンボプラン受入、JICA長期研修生など、複数の国際プログラムが用意されています。

SGU指定校としての位置づけ

東京都市大学は スーパーグローバル大学(SGU)には未採択 です。

4工大では芝浦工業大学のみがSGU採択校です。

ただしTAPなど独自の国際プログラムは確立されており、4工大の中でも大規模な留学派遣を実現している点で特色があります。

研究力(最新の取り組み)

領域 代表的な取り組み
原子力安全 原子力安全工学科を中心とした研究(4工大唯一の独立学科)
環境・SDGs 横浜キャンパスの環境学部・環境情報学研究科
都市・建築 建築都市デザイン学部による東急沿線開発研究
データサイエンス 全学共通のデータサイエンスリテラシー教育
情報・AI 情報工学部・情報データ科学研究科
みお

TAPって、希望すれば約4ヶ月オーストラリア留学に行けるんですね。

さくら先生

そうなんです。「全学部対象・年間定員600名」というのは4工大の中でも大規模な部類です。ただし留学時期は学部・学科でサイクルA(1年次2月〜2年次5月)かサイクルB(2年次8月〜11月)に振り分けられるので、自分で選べない点には注意してください。それでも、入学早期から大学が公式にバックアップしてくれるのは、英語学習や国際志向のある受験生にとって大きな魅力です。なお、デザイン・データ科学部の場合は留学費用が別途必要(2026年度で約145万円・年度により変動)なので、家計計画に含めておきましょう。

最新トピックス:「都市を舞台にイノベーションを起こす大学」へ

東京都市大学は、創立100周年(2029年)に向けて、いくつかの大きな動きを進めています。

ここでは、公式プレスリリースや受験情報サイトから読み取れる「いま注目すべきポイント」を3つ紹介します。

① 中期ビジョン「アクションプラン2030」とタグライン

公式の中期事業方針 「アクションプラン2030」 が進行中です。

タグラインは 「超える、つながる、その夢に。」

建学の精神「公正・自由・自治」を受け継ぎつつ、文系・理系の枠を超えて価値を創造できる人材を育てる、というメッセージが込められています。

学長の野城智也氏は公式メッセージで「都市を舞台にイノベーションを起こす大学」を目標に掲げており、世田谷・横浜という都市部の好立地と分野横断的な教員ネットワークを活かしたカリキュラム改革を続けています。

② 「ゲームチェンジ時代」への対応:文理融合教育を全学規模で

東京都市大学は、AI・SDGs・DXなど急速な変化に対応するため、文系学部(都市生活・人間科学)にも数理・データサイエンス教育を必修化 しています。

これは公式の「6つの魅力」でも明記されている方針で、文系・理系の壁を越えた「複合的に学べる学部・学科」を全学規模で展開しているのが特徴です。

2027年4月新設予定の 創発デザイン工学環 も、この方針の象徴的な取り組みです(章3-9参照)。

③ 卒業生ネットワーク「武蔵工大時代からの第一線で活躍するOB/OGの協力」

東京都市大学の就職支援で見逃せないのが、旧・武蔵工業大学時代からの卒業生ネットワーク です。

公式の「6つの魅力」でも明記されている通り、学内の就職支援イベントでは 「社会の第一線で活躍する卒業生」の協力 を得て、学部・学科ごとに 企業セミナーや業界研究会 が開催されています。

東急グループ・大手メーカー・大手ゼネコン・公務員といった主要就職先には、武蔵工大時代から続く OB/OG が多数おり、後輩への面談・OB訪問・業界理解の機会につながっています。

「大学のブランドだけで就職する」のではなく、「同窓の現役社員から直接話を聞いて、自分の進路を具体化できる」 のが、都市大の地味だけれど実用的な強みです。


武蔵工大改称の影響と都市大の校風

検索エンジンで「東京都市大」と入力すると、関連語に「武蔵工大」「ださい」「やばい」などが並びます。

これは多くの場合、改称後のブランド認知ギャップ から生まれている言葉です。

校風の特徴:堅実・実学・就職重視

口コミサイトや在校生・卒業生の声を集約すると、東京都市大学の校風は 堅実・実学・就職重視 という方向性で一貫しています。

  • 真面目な学生が多い
  • 体育会的な派手さは少なめ
  • 授業の課題量は理工・建築系では多めという声あり
  • 就職支援は手厚いという評価

みんなの大学情報では大学全体の評価は4.0/5.0、私立大学口コミランキング185位/591校という位置です。

「武蔵工大改称」のメリットとデメリット

2009年の改称(武蔵工業大学→東京都市大学)には、ブランディング上のメリットとデメリットがあります。

メリット

  • 「東京」「都市」の名称により、首都圏・都市開発・環境・データ系と結びつけやすい
  • 理工系単科大から 総合大学への広がりを表現しやすい
  • 女子学生や文理融合志望にも訴求しやすい

デメリット

  • 旧・武蔵工業大学の 理工系ブランドが若い受験生に伝わりにくい
  • 「都市大学」という名前だけでは、機械・電気・原子力・情報の伝統が見えにくい
  • 「どんな大学か」が初見で分かりにくく、認知獲得に時間がかかる

上位理系大学全般に共通する事情(教員目線)

実験・演習・課題の負荷が高いのは、都市大に限らず 理系大学全般に共通する事情 です。

都市大の 全体就職率98.5% という数字は、こうした実践的な学びをやり切った卒業生に対する企業側の評価でもあります。

「入る前の不安」より「入ってからの行動」 を意識してください。

しゅん

「武蔵工大」って名前を保護者が知っていたら、信頼度が高くなりそうですね。

さくら先生

そうなんです。実際、企業の採用担当者世代には、旧校名「武蔵工大」を知る人も少なくありません。改称後に入った若い世代は「東京都市大学」しか知らないことが多いので、家族と話すときは旧校名にも触れると、伝統と現代性の両方が伝わりますよ。


よくある質問

ここまで読んでくれた方に向けて、面談で頻出する質問を8つ整理しました。

Q1. 東京都市大学は何キャンパスですか?

現在、学部教育の中心は 世田谷と横浜の2キャンパス です。

等々力キャンパスにあった都市生活学部・人間科学部は、2022年4月に世田谷キャンパスへ移転 しました。

Q2. 情報工学部はどのキャンパスですか?

情報工学部は 4年間を通して世田谷キャンパス で学びます。

横浜キャンパスではないので、情報系志望の方は世田谷への通学を前提に検討してください。

Q3. 東京都市大学と東京都立大学、よく間違えるんですが…?

これは進路面談でも本当によくある質問です。

名前が似ているうえに、両校とも東京都内に主要キャンパスがある「都〇大学」 なので、保護者・受験生ともに混同されやすい大学です。

項目 東京都市大学 東京都立大学
設置 私立(学校法人 五島育英会) 公立(東京都)
略称 都市大/TCU 都立大/TMU
旧名称 武蔵工業大学(2009年改称) 首都大学東京(2020年改称)
系統 理工系総合大学(8学部18学科) 総合大学(人文・経済・法・理・都市環境など7学部)
主要キャンパス 世田谷・横浜 南大沢(八王子)・日野・荒川

両校は 設置者(私立/公立)が異なる別の大学 です。

願書や調査書を準備するときには、正式名称を確認してくださいね。

Q4. 東京都市大学と芝浦工業大学、どっちを選ぶべき?

学部・学科で異なります。

  • 建築志望:建築の難易度・ブランドを最重視するなら芝浦の建築学部、都市・土木・インフラまで含めて考えるなら都市大の建築都市デザイン学部も有力
  • 情報・データ志望:都市大 情報工学部(情報科学科)も4工大屈指。両方併願
  • 都市開発・インフラ志望:都市大の建築都市デザイン+東急グループとの連携
  • 国際志向:TAP(4ヶ月豪州留学・希望制)の都市大か、SGU指定校の芝浦か

Q5. 奨学金は本当に充実してるの?

充実しています。

特に 授業料分割納入制度 が大きな特徴で、入学時に約106万円、10月までに残約80万円という分納が可能です。

他にも給付型・貸与型の奨学金が複数あります。

Q6. 100周年(2029年)に向けたビジョンは?

公式の中期ビジョン 「アクションプラン2030」 が進行中です。

1929年創立から100年に向けて、研究力・国際性・教育改革を軸に大学全体をアップデートする計画です。

特に「全学データサイエンス教育」「TAP(豪州プログラム)」「環境・SDGs研究」の3点が柱になっています。

Q7. MARCHとどっちがいいの?

評価軸によって答えが変わります。

  • 偏差値:MARCH理系の一部学部・学科と比較対象になる水準(明治・青学・中央・法政の中で学部により差あり)
  • 就職実績:有名企業400社実就職率では、4工大トップの芝浦41.2%と異なり、都市大25.9%はMARCH理工と近い水準
  • キャンパス:都市大は世田谷・横浜でMARCHに近い立地
  • 大学ブランド・学部の幅:MARCH側に強みがある場合もある

理系志望で、特に建築都市・環境・情報・東急グループとのつながりを重視する場合、都市大はMARCH理系と十分に比較対象になる大学です。

Q8. 推薦入試・総合型選抜はどうなっている?

公募推薦・指定校推薦・総合型選抜(旧AO)など、複数の選抜方式があります。

特に 総合型選抜(1段階方式)は他大学と併願可能 で、第一志望が他大学の受験生にも開かれた設計です。

理工学部の「ひらめき」プログラムに連接する 学際探究入試 や、女子枠・国際志向枠、情報工学部の 創作ソフトウェア入試 など、学力試験以外の強みを活かせる方式が豊富にあります。詳細は章6-4も参照してください。

詳細は毎年変わるので、最新情報を必ず公式サイトで確認してください。

みお

都立大とよく間違える話、保護者の方にもちゃんと伝えたいですね。

さくら先生

本当によくある混同なんです。家族で話し合うときは「都市大/TCU/旧・武蔵工大」、都立大の話なら「都立大/TMU/旧・首都大学東京」とセットで覚えておくと、認識のズレを防げますよ。


まとめ:都市大はどんな受験生に向くか

最後に、東京都市大学が 特に向いている受験生像 を整理します。

都市大が向く受験生の3タイプ

  1. 理系で文理融合・環境・社会課題にも関心がある受験生

→ 8学部18学科の幅広さは4工大トップ。理系から少し横にスライドする学びが得意

  1. 建築・都市・インフラ系で東急グループとのつながりを活かしたい

→ 建築都市デザイン学部・東急沿線PBL・東急グループへの就職機会

  1. 入学早期から国際経験を積みたい

→ TAP(約4ヶ月の豪州留学・希望制/全学部対象・年間定員600名/学部によりサイクルA:1年次2月〜2年次5月・サイクルB:2年次8月〜11月に振り分け)

学費・奨学金の総合判断

学費は4年間で 約670万円(理工系学部の代表値)。

4工大の中ではやや高めですが、授業料分割納入制度を含めて家計負担を分散できます。

なお、デザイン・データ科学部はTAP留学費用が別途必要(2025年度実績で約135万円・年度により変動)なので、家計計画に含めておきましょう。

出願戦略のコツ

  • 第一志望が情報科学科なら、前期3教科型を軸に、共テ利用前期や中期日程を組み合わせる
  • 共テ利用を考えるなら、河合塾Kei-Netのボーダー得点率と公式の合格者得点率の両方 を確認する(例:情報科学科 ボーダー77% vs 公式実績85.2% で約8ポイント差)
  • 理科の「9題から任意3題」を活かすため、赤本演習で得意分野の組み合わせを確定
  • 芝浦・電機・工学院・東京理科大学などと、学力帯に応じて併願を組むのが定番

もっと比較したい人へ

東京都市大学を 4工大全体の中 で位置付けたい方には、次の4記事もおすすめです。

しゅん

都市大って、芝浦と全然違うキャラクターですね。

みお

「武蔵工大の伝統」と「文理融合」、両方持っているのが面白いです。

さくら先生

そうなんです。東京都市大学は2029年の100周年に向けて、「武蔵工大の伝統」と「文理融合」を両立させる独自の道を歩んでいます。「理工系の堅実さ」と「学部の幅」、その両方に魅力を感じる受験生にとって、都市大は十分に検討する価値のある大学です。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

進路選びは長い道のりですが、正確な情報をひとつずつ積み上げていけば、必ず自分にとって最適な選択にたどり着けます。

ご質問やコメントは、当ブログのコメント欄でも受け付けています。

受験生・保護者のみなさんの一助になれば幸いです。


関連記事


注記

  • 偏差値は河合塾Kei-Net等の目安値(公式数値ではない)
  • 倍率は2025年度・実質倍率(受験者数 ÷ 合格者数)
  • 学費は2026年度入学生・理工系学科の代表値(学部により学費差あり)
  • 入試方式・配点は2026年度の最新情報(公式PDF:取得日2026年5月)
  • 学生数・専任教員数は2025年5月1日現在の公式公表値
  • 就職データの出典:東京都市大学公式PDF「2024年度進路決定状況」、株式会社大学通信「2025年有名企業400社実就職率ランキング」
  • 有名企業400社実就職率は、大学通信が選定した400社への実就職率を示す指標であり、就職のすべてを表すものではありません
  • 海外協定校数は2026年5月時点の公式公開値
  • 4工大内ポジションの記述は、複数指標を総合した相対評価です(公式順位ではなく、本記事独自の整理です)
  • ランキングや偏差値は調査機関・年度・集計条件によって変動します
  • 集約サイト由来の情報は「傾向」として扱い、断定はしていません
  • 入試方式・延納制度・TAP費用・2027年新設予定の創発デザイン工学環に関する情報は、年度により変更される可能性があります
  • 最新情報は必ず東京都市大学公式サイト(https://www.tcu.ac.jp/)でご確認ください

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