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薬学部っておもしろそうだけど、6年間の学費がすごく高いって聞くと、うちでも大丈夫かなって不安で…。

東京薬科大って薬学部と生命科学部があるんですよね。学部の併願ができたり、入試もB方式やT方式、公募推薦…と種類が多くて、どれを受ければいいのか分からなくて。

ふたりとも、いい着眼点です。東京薬科大学は学部が2つあって入試の方式も多いので、迷うのは当然です。まずは全体像から、一緒に整理していきましょう。
私は現役の私立理系教員(教員歴15年・化学担当)として、毎年、理系を志望する生徒たちと面談を重ねています。その経験からお伝えしたいのは、東京薬科大学は「1880年創立をルーツにもつ“日本最古級”の私立薬科大学で、薬剤師をめざす薬学部(6年制)と、研究をめざす生命科学部(4年制)を併せもつ大学」だということです。
ここで先に、いちばん大事なポイントを3つ、押さえておきましょう。1つめ、偏差値は河合塾Kei-Net2027で薬学部50.0・生命科学部47.5〜50.0。2つめ、薬剤師国家試験の合格者数は全国最多クラスという実績があります。3つめ、薬科系ならではの注意点として、総合型や公募推薦といった「年内入試」でも学科試験(化学など)を課す方式が多いこと——ここを知っておくと、対策の順番が変わります。
本記事では、東京薬科大学の偏差値・入試方式の選び方(共通テスト利用・B/T/C方式・公募推薦・総合型)・6年間の学費・薬学部と生命科学部の違い・薬剤師国家試験の実績・豊田駅からの通学まで、公式の一次情報をもとに徹底解説します。「どの方式を受ければいい?」「薬学部と生命科学部はどっち?」という疑問に、データで丁寧にお答えしていきます。
読み終えるころには、東京薬科大学が自分に合うのか、合わないのか、判断できるようになります。
なお、偏差値や入試方式・学費は年度によって変わることがあるため、出願前には東京薬科大学公式の最新の募集要項を必ずご確認ください。
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はじめに|東京薬科大学を3分で早わかり
まず、この記事の要点を1枚にまとめます。くわしくは各章で解説します。
| 項目 | 結論 |
|---|---|
| 学部 | 薬学部(6年制・薬剤師をめざす)/生命科学部(4年制・研究をめざす) |
| 偏差値(河合塾2027) | 薬学部50.0/生命科学部47.5〜50.0 |
| 入試の注意 | 年内入試(総合型・公募推薦)でも学科試験を課す方式が多い |
| 学費(目安) | 薬学部6年 約1,215万円/生命科学部4年 約670万円(実務実習費・国家試験対策費は学費に含む) |
| 国家試験 | 合格者“数”は全国最多クラス(合格“率”1位ではない) |
| 立地 | 八王子の単一キャンパス(最寄り駅からバス約8分) |
東京薬科大学とは|日本最古級の私立薬科大×日本初の生命科学部
まず、大学そのものを押さえておきましょう。志望理由書にも役立ちます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 正式名称 | 東京薬科大学(私立・共学) |
| ルーツ | 1880年(明治13年)創立の薬学教育機関を起源とする、日本最古級の私立薬科大学 |
| 学部構成 | 薬学部(薬学科・6年制)/生命科学部(分子生命科学科・応用生命科学科・生命医科学科・4年制) |
| 所在地 | 東京都八王子市堀之内(薬学部・生命科学部・大学院を集約した単一キャンパス) |
| 規模 | 学部生 約3,854名・専任教員 約200名(2025年5月1日現在) |
1880年をルーツにもつ「日本最古級の私立薬科大学」
東京薬科大学は、1880年(明治13年)に創立された薬学教育機関をルーツにもつ、歴史ある私立薬科大学です。八王子キャンパスに全学部・大学院が集まっているため、6年間(薬学部)・4年間(生命科学部)を一つのキャンパスで学べるのも特徴です。
「薬学」と「生命科学」の2本柱
東京薬科大学のもう一つの強みは、1994年に日本で初めて「生命科学部」を設置したことです。薬剤師をめざす薬学部だけでなく、遺伝子・細胞・環境・医科学などを研究する生命科学部を早くからもち、「薬学」と「生命科学」の2本柱で理系を学べる大学になっています。
2024年に薬学部が「1学科・共学」へ
薬学部は2024年度に、それまでの3学科を「薬学科」の1学科に統合し、あわせて男女を分けずに一括で募集する形(共学化)へと切り替えました。現在の薬学部は、薬学科(6年制)の1学科です。
偏差値と難易度|河合塾2027でみる
河合塾Kei-Net2027の偏差値
| 学部 | 偏差値 |
|---|---|
| 薬学部(薬学科・6年制) | 50.0 |
| 生命科学部(3学科・4年制) | 47.5〜50.0 |
(出典:河合塾Kei-Net 2027年度入試 予想/方式別ランク)
「サイトによって偏差値が違う」のはなぜ?
東京薬科大学を調べると、サイトごとに偏差値の数字が違って戸惑うことがあります。これは大学が変わったからではなく、もとにしている模試(母集団)が違うからです(ほかに集計の時期などでも差が出ます)。
当ブログでは、大学どうしを同じ基準で比べられるよう、河合塾Kei-Netに統一しています。どの基準の数字かを確かめると、比較で迷いにくくなります。
偏差値だけで合否は決まらない
偏差値は目安ですが、実際の合否は方式・科目・募集人員・倍率・合格最低点の組み合わせで決まります。次の第5章で、方式ごとの倍率まで見ていきます。
私立薬学部全体の中での位置づけ
東京の私立薬学部はおおむね37.5〜62.5の幅に分布しており、東京薬科大学はその中で標準的な位置にあります。また、薬学部と生命科学部は志望する層が違うため、偏差値の数字を単純に比べても実態はつかめません。難易度は「入って薬剤師になれるか(国家試験・進級)」まで含めて見るのがおすすめです(第8章)。
倍率も合わせて難易度を見る
方式によって競争率はかなり違います。たとえば独自試験のB方式は約3.3倍、T方式は約4.0倍と高めで、共通テスト利用(A方式Ⅰ期)は約2.0倍です(いずれも2026年度・実質倍率)。ただし、共通テスト利用は共通テストの得点率で選抜するため、倍率が低いからといって入りやすいとは限りません。倍率は科目や合格最低点と合わせて見ましょう。方式別のくわしい倍率表は第5章5-5に載せています。
学部・学科の中身|薬学部(6年制)と生命科学部(4年制)
薬学部は「薬剤師をめざす6年制」
薬学部は薬学科(6年制)の1学科で、薬剤師の国家資格取得をめざす学部です。カリキュラムは、12のコース・39のプログラムから選んで学ぶ「選択制」になっています。
薬学部6年間の学びと実務実習
薬学部の6年間は、次のような流れで進みます。
| 学年 | 主な学び |
|---|---|
| 1年 | 化学・生物などの基礎と、医療人としての心構え |
| 2〜3年 | 薬を「物質」として理解する専門基礎、人体と病気のしくみ |
| 4年 | 専門科目+研究室に配属(卒業研究の開始)。薬学共用試験(CBT・OSCE)を受験 |
| 5年 | 病院・薬局での実務実習(合わせて約22週間) |
| 6年 | 卒業研究のまとめ・卒業試験・薬剤師国家試験の準備 |
4年で受ける「CBT」は実務実習に出る前の知識を確認する試験、「OSCE」は薬剤師に必要な技能・態度を確認する実技試験です。この2つに合格して、5年の実務実習に進みます。
12コース・39プログラムで何を学ぶ?
必修科目で土台を固めつつ、体系化された12コース・39プログラムから関心に応じて選んで学びます(1〜3年で基礎、4〜6年で応用、というイメージです)。所定の条件を満たすとコース修了証(オープンバッジ=デジタルの証明書)を取得できます。
生命科学部は「研究をめざす4年制」・3学科
生命科学部は4年制で、次の3学科があります。
- 分子生命科学科:くすり・遺伝子・細胞・脳などを化学・分子生物学から学ぶ
- 応用生命科学科:遺伝子・環境・食料などのバイオテクノロジーを学ぶ
- 生命医科学科:がん・再生医療・免疫など、医学・医科学につながる分野を学ぶ
大学院への進学が最大の進路で、卒業生のおよそ5〜6割が進学する研究志向の学部です(第8章)。
薬学部と生命科学部、どちらが向く?
ざっくり言うと、薬剤師になりたいなら薬学部、研究・開発やバイオの道に進みたいなら生命科学部が向いています。
ここで一つ、とても大切な注意点があります。生命科学部(4年制)を卒業しても、薬剤師国家試験の受験資格は得られません。薬剤師をめざすには、6年制の薬学部を修了する必要があります(薬剤師法で定められています)。「薬に関わる学部だから薬剤師になれる」と誤解しやすいので、進路の入口でしっかり分けて考えましょう。
入試①方式マップと一般選抜|どの方式を受ける?
薬学部の主な入試方式マップ
東京薬科大学は方式が多いので、まず全体像を1枚で押さえましょう(薬学部の主な方式)。
| 方式 | 区分 | 主な試験科目 | 併願 | 向く受験生 |
|---|---|---|---|---|
| A方式Ⅰ期/Ⅱ期 | 共通テスト利用 | 共テの成績で判定 | 併願可 | 共テ型 |
| B方式 | 一般(独自) | 化学・英語・数学 | 併願可 | 独自試験で勝負 |
| T方式 | 一般(薬・生命統一) | 化学・数学 | 併願可 | 化学が得意 |
| 学校推薦型(公募) | 年内 | 英語・化学+面接 | 併願可 | 年内に併願で挑戦 |
| 学校推薦型(指定校) | 年内 | 面接 | 専願 | 指定校の推薦がある |
| 総合型選抜 | 年内 | 化学+面接ほか | 専願 | 東京薬科が第一志望・早めに準備したい |
| TOUYAKU修学支援特別選抜 | 共通テスト利用 | 共テの成績で判定 | 併願可 | 住民税非課税世帯・給付希望 |
(生命科学部にはこれに加え、英語・数学で受けるC方式があります)
一般選抜の方式と選び方
一般選抜は、共通テスト利用のA方式(Ⅰ期・Ⅱ期)、独自試験のB方式、薬学部と生命科学部を1回の試験で併願できるT方式が中心です。生命科学部にはさらに、英語・数学だけで受けられるC方式があります。共通テストが得意ならA方式、独自試験で力を出したいならB方式、化学に自信があるならT方式、というのが基本の選び方です。
共通テスト利用のボーダーと、Ⅰ期・Ⅱ期の違い
共通テスト利用(A方式)は、共通テストの成績で合否が決まります。河合塾Kei-Net2027のボーダー得点率の目安は、薬学部(A方式Ⅰ期)が約63%、生命科学部(A方式Ⅰ期)が約62〜64%です。
なお、A方式Ⅱ期のボーダー得点率は河合塾Kei-Netでは公表されていません。そこで大学公式の入試結果(2026年度・薬学部)の合格最低点で比べると、A方式Ⅰ期が378点/600点満点(63.0%)、A方式Ⅱ期が213点/300点満点(71.0%)でした。Ⅱ期は募集人員が少なく(2026年度は5名)、共通テスト後に出願できるぶん、合格ラインはⅠ期より高めです。
出願の時期に違いがあります。A方式Ⅰ期は共通テストの前に出願を締め切るため、模試の成績などから判断して出願します。一方、A方式Ⅱ期は共通テストの後に出願できるので、自己採点や手応えを見てから検討できます。
科目のポイント(化学必須はどの方式?)
科目で間違えやすいのが「化学必須」の範囲です。正しくは次のとおりです。
- 薬学部のB方式・T方式は化学が必須(理科は化学のみ)。
- 生命科学部のB方式・T方式は、生物・化学から1科目を選択(物理は対象外)。
- ただし、生命科学部のT方式で薬学部も併願する場合は、化学を選ぶ必要があります。
薬学部志望なら、化学の対策が入試の軸になります。
募集人員と実質倍率(募集人員2027・倍率2026)
薬学部の主な方式の募集人員と実質倍率(受験者数÷合格者数)です。募集人員は2027年度、倍率は2026年度の数値で、年度や方式で条件が違うため単純な比較には注意してください。
| 方式 | 募集人員(2027) | 実質倍率(2026) |
|---|---|---|
| B方式(独自) | 120 | 約3.3倍 |
| T方式(独自) | 40 | 約4.0倍 |
| A方式Ⅰ期(共テ利用) | 28 | 約2.0倍 |
| 学校推薦型(公募) | 60 | 約1.7倍 |
| 総合型選抜 | 50 | 約2.1倍 |
(出典:東京薬科大学 入試結果データ 2026年度)
なお、合格最低点は一般選抜(A・B・T方式)のみ公表されており、総合型・学校推薦型は非公表です。合格最低点は年度で動くので、公式の入試結果で最新値を確認しましょう。
過去問はどこで入手できる?
過去問は、まず東京薬科大学の公式サイトの過去問ページで確認できます。B方式・C方式・T方式・公募推薦の問題が、直近3年分ほど無料で公開されています。ただし問題だけで解答・解説はなく、英語は著作権の関係で非掲載という制約があります。
腰を据えて演習するなら、教学社の赤本が心強い味方です。無料公開が「問題のみ」なのに対し、赤本は解答・解説がつき、巻頭に出題傾向と対策もまとまっています。東京薬科は学部ごとに冊子が分かれているので、薬学部志望は『東京薬科大学(薬学部)』、生命科学部志望は『東京薬科大学(生命科学部)』を選びましょう。志望学部の1冊を早めに手元に置くと、出題の重さや時間配分がつかめて、対策の優先順位を決めやすくなります。
解き始めるのは高3の秋からで大丈夫。でも、ゴール=入試問題を先に知って分析すると、毎日の勉強の方向性が定まります。高2の秋以降ならまずは第一志望を1冊、手元に置くことをおすすめします。
📕 あわせて読みたい赤本はいつから使う?理系は高2秋から分析し、高3秋から解く【現役教員が解説】買う時期・解き始める時期・科目ごとの順番を時期別にまとめています
▼ 薬学部を志望する人はこちら(6年制・薬剤師)
▼ 生命科学部を志望する人はこちら(4年制・研究)
※収録範囲に注意。薬学部版は公募推薦・B方式・T方式(総合型選抜は非掲載)、生命科学部版は公募推薦・B方式(T方式・C方式は非掲載)が対象で、著作権上の都合で一部省略された問題もあります。志望方式が入っているかを確認してから選びましょう。
入試②年内入試(総合型・学校推薦型)|年内入試は面接だけとは限らない
年内入試でも「学科試験」がある
薬科系でとくに注意したいのが、総合型選抜や学校推薦型(年内入試)でも、化学などの学科試験を課す方式が多いことです。「年内入試=面接と書類だけ」という思い込みのままだと、対策が足りなくなります。
「専願/併願」と「学力試験の有無」は別もの
もう一つ大切なのが、「専願か併願か」と「学力試験があるかないか」は別の軸だということです。専願(合格したら入学する約束)でも学科試験がある方式もあれば、面接だけの方式もあります。下の表で確認しましょう。
| 学部 | 方式 | 専願/併願 | 学力の確認 |
|---|---|---|---|
| 薬学部 | 総合型 | 専願 | 学科試験あり(化学)+面接 |
| 薬学部 | 地域枠 | 専願 | 学科試験あり(化学)+面接 |
| 薬学部 | 公募推薦 | 併願可 | 学科試験あり(英語・化学)+面接 |
| 薬学部 | 指定校 | 専願 | 学科試験なし(面接のみ) |
| 生命 | 公募〈専願制〉 | 専願 | 筆記なし(面接で生物基礎・化学基礎の口頭確認) |
| 生命 | 公募〈併願制/スカラシップ〉 | 併願可 | 基礎学力試験あり+面接 |
| 生命 | 総合型(研究型AO) | 専願 | 研究の発表・質疑(基礎の確認あり) |
| 生命 | 総合型(講義型AO) | 専願 | 講義のあと基礎学力の確認+面接 |
(出典:東京薬科大学 2027年度入試概要)
ポイントは一つ。「専願だから学力試験なし」「併願だから必ず筆記あり」とは限りません。専願か併願かと、試験の中身は、方式ごとに別々に確認しましょう。
薬学部の年内入試
薬学部の総合型選抜(専願)と地域枠選抜(専願)は化学の学科試験があります。学校推薦型の公募推薦は併願ができ、英語・化学の学科試験があります。指定校推薦は専願で、面接のみです。
生命科学部の年内入試
生命科学部で間違えやすいのが公募推薦です。〈専願制〉は筆記試験がなく、面接のなかで生物基礎・化学基礎の口頭確認があります。〈併願制/スカラシップ〉は基礎学力試験があり、他大学との併願もできます。同じ「公募推薦」でも中身が違うので注意しましょう。このほか総合型(研究型・講義型のAO)や指定校推薦があります。
現役教員から|薬学部志望の受験プランと「年内入試の使い方」
ここで、面談の現場で感じていることをお伝えします。

薬科系の年内入試は、学力試験の出来が合否に与える影響がとても大きいと感じています。面接や書類の対策ももちろん大切ですが、多少そこでつまずいても、学力がしっかりついていれば十分に合格を狙えている印象です。
ですから、夏のあいだに化学の学習を中心にしっかり進めておくことが何より大切です。年内入試の出題は基本的な問題が中心で、そのぶん時間に対して問題量が多い傾向があります。基礎を固め、早く正確に解けるようにしておきましょう。
受験プランとしては、薬剤師をめざして東京薬科大学を第一志望に考えるなら、まず総合型に挑戦し、結果が出なければ公募推薦(他大学との併願も可能)、さらに一般選抜へ備える、という複線的なプランが考えられます。
ここが大事なのですが、東京薬科大学は年内入試でも学力試験があり、事前課題(提出型の課題)がありません。そのため、「他の大学なら一般選抜だけで考える」というタイプの受験生でも、年内入試を選択肢に入れると受験のチャンスを広げられることが多いのです。学力試験を課さない大学とは、年内入試のとらえ方を変えるのがおすすめです。
※出願資格や提出書類などの最終条件は、2026年8月上旬公開予定の学生募集要項でご確認ください。
学費と経済支援|薬学部6年間の総額と負担を抑える方法
卒業までの学費(総額)
| 学部 | 卒業までの学費(目安) |
|---|---|
| 薬学部(6年制) | 約1,215万円 |
| 生命科学部(4年制) | 約670万円 |
(2026年度入学者用・大学への納付金の目安。公式の年額から計算した参考値で、2027年度の公式値は要確認)
上の金額は大学に納める学費の目安です。ここで大切なのが、薬学部では、病院・薬局での実務実習の費用(約70万円相当)、薬学共用試験(CBT・OSCE)の受験料、薬剤師国家試験対策の費用が、学費に含まれ、あとから追加で徴収されないことです(公式に明記)。
一方で、教科書代・白衣・通学費・一人暮らしの生活費などは別途必要です(これらは一般に自己負担で、金額は公式には示されていません)。
負担を抑える方法
負担を抑える制度がいくつもあります。
- TOUYAKU修学支援特別選抜:住民税非課税世帯(日本学生支援機構の給付奨学金の対象となる世帯)が対象の、返還不要の給付制度。薬学部は年60万円×6年(最大360万円相当)、生命科学部は年48万円×4年(最大192万円相当)。継続には各学年で成績(上位25%以内)などの判定があります。
- 特待生制度:成績上位者の授業料の一部を免除。
- 一般奨学金・検定料割引(複数方式を同時に出願すると割引)・日本学生支援機構(JASSO)の給付奨学金。
(出典:東京薬科大学 入試概要・奨学金・学費ページ)
学費を比べるときのポイント
ほかの薬科大と学費を比べるときは、納入金の総額だけでなく、実務実習費などが学費に含まれているか(あとから追加徴収がないか)もあわせて確認すると、実際の負担を正しく比べられます。(星薬科大学の学費と入試については、別の記事でくわしく解説しています。明治薬科大学などを含めた薬科大学どうしのまとめ記事は、今後あらためて扱う予定です。)
薬剤師国家試験と卒業後の進路|合格実績の実像
まず「6年で卒業できる割合」を知っておく
薬学部は6年間と長く、進級・卒業の壁もあります。まずは入学者を基準にした数字を見ておきましょう(令和元年度=2019年度の入学者)。
| 入学者を基準にした割合 | 数値 |
|---|---|
| 6年間で卒業できた割合 | 72.9% |
| 6年間で卒業し、国家試験にも合格した割合 | 64.3% |
(出典:東京薬科大学「薬学部6年制学科における修学状況(様式5-1)」・取得日2026-07-25)
参考として、直近の単年度の状況も見ておきます(下は分母・対象年度が上の表とは異なります)。
| 直近単年度の状況 | 数値 |
|---|---|
| 6年次(最終学年)の卒業延期(留年)率 | 20.1% |
| 薬学部の年間の退学率 | 1.7% |
(出典:修学状況/情報公開「学生数」・取得日2026-07-25)
ここで注意したいのが、大学がよく掲げる「新卒合格率91.8%」との違いです。新卒合格率は、その年度に卒業して新卒として国家試験を受験した人を分母にした数字で、入学者全体を分母にした数字ではありません。かんたんに言うと、「合格率は9割台」でも、「入学して6年で卒業し国家試験にも合格したのは100人中およそ64人」——この2つを分けて理解しておくと、進路選びで誤解しません。
薬剤師国家試験の合格実績
| 回(実施年) | 新卒受験 | 新卒合格 | 新卒合格率(全国平均) | 合格者数(既卒含む)・全国順位 |
|---|---|---|---|---|
| 第111回(2026年) | 352 | 323 | 91.76%(86.25%) | 425名・全国1位 |
| 第110回(2025年) | 322 | 277 | 86.0% | 369名・全国1位 |
| 第109回(2024年) | 353 | 308 | 87.25% | 379名・全国2位 |
(出典:厚生労働省 学校別合格者数・東京薬科大学・取得日2026-07-25)
東京薬科大学の強みは、合格者“数”が全国最多クラスであることです。ただし、これは合格“率”で全国1位という意味ではありません(合格率のトップは別の大学で、回によっては合格者数も2位のことがあります)。数字は「回・年・合格者数か合格率か」をセットで見るのが正確です。
薬学部の就職
薬学部の卒業生は、薬局・病院・ドラッグストア・製薬企業などへ進みます。就職決定率は99.5%(2025年度卒・就職希望者を分母とした割合)と高い水準です。
公式サイトで公表されている主な就職先(2023〜2025年度卒)は、製薬企業(第一三共・中外製薬・大塚製薬・エーザイ・ファイザー ほか)、保険薬局・ドラッグストア(日本調剤・アインファーマシーズ・ウエルシア薬局・マツキヨココカラ ほか)、病院(東京大学医学部附属病院・慶應義塾大学病院・虎の門病院 ほか)などです(企業ごとの採用人数は非公表)。
生命科学部の進路
生命科学部は、卒業生のおよそ5〜6割が大学院へ進学します(2025年度卒業229名のうち進学57.2%)。主な進学先は、東京薬科大学大学院のほか、東京大学・東京科学大学・千葉大学・横浜国立大学などです。就職では、製薬(大塚製薬・第一三共 ほか)・食品(ヤクルト本社 ほか)・化粧品(ファンケル ほか)・化学・検査分析などの分野が中心です(2023〜2025年度卒業生の主な進路)。
国家試験・キャリアのサポート
学習面では、薬学教育推進センターが低学年から国家試験までを支え、学習相談や過去問データベース、演習などで対策できます。進路面では、キャリアセンターが、国家資格をもつ相談員や製薬企業出身の職員による個別面談、エントリーシート・面接対策、インターンシップ支援などを行っています。
キャンパスとオープンキャンパス|八王子・薬用植物園・通学ルートの選び方
八王子の単一キャンパス
八王子キャンパスは「東京ドーム6個分」ともいわれる広さで、薬学部・生命科学部・大学院が集まっています。図書館は薬学・生命科学分野を中心に約10万冊をそろえています。
薬用植物園は「志望動機づくり」にも
キャンパスには、約41,000㎡という都内最大級の薬用植物園があります。入園無料で、オープンキャンパスの見どころにもなっています。「くすりの原料になる植物」を実際に見られる場所は多くないので、志望動機を考えるヒントにもなります。
通学ルートの選び方
八王子キャンパスへは、次の3ルートが使えます(いずれもバス約8分・片道200円/2026年7月確認)。
| 最寄り駅 | 沿線 | バス |
|---|---|---|
| 豊田駅 南口 | JR中央線 | 大学直通のスクールバス |
| 京王堀之内駅 | 京王相模原線 | 路線バス |
| 平山城址公園駅 | 京王線 | 路線バス |
オープンキャンパス
2026年度は、みらい発見キャンパス(6/14)・サイエンスキャンパス(7/25・26)・1日東薬生(8/23)・研究のトビラ(9/27)・東薬スタートキャンパス(2027/3/21)が開かれます。最新の日程・申込方法は公式サイトで確認してください。薬用植物園や実習施設は、この大学ならではの見どころです。
まとめ|東京薬科大学が向いている人
最後に、東京薬科大学が向いている人を整理します。
- 薬剤師をめざし、6年制でしっかり学びたい人(薬学部)
- くすり・遺伝子・医科学などを研究したい人(生命科学部)
- 緑豊かな単一キャンパスで、腰を据えて学びたい人
よくあるご質問(FAQ)
Q1. 偏差値がサイトによって違うのはなぜ?
もとにする模試(母集団)が違うためです。本記事は河合塾Kei-Netに統一しています(薬学部50.0・生命科学部47.5〜50.0)。
Q2. 薬学部と生命科学部は何が違う?
薬学部は6年制で薬剤師をめざす学部、生命科学部は4年制で研究をめざす学部です。
Q3. 生命科学部から薬剤師になれる?
なれません。薬剤師国家試験の受験資格には、6年制の薬学部の修了が必要です。
Q4. 年内入試にも学科試験がある?
あります。総合型や公募推薦でも化学などの学科試験を課す方式が多いです。
Q5. 専願と併願はどう見分ける?
方式ごとに違います。専願でも学科試験がある方式があるので、「専願/併願」と「試験の中身」は別々に確認しましょう(第6章の表)。
Q6. 共通テスト利用は何割が目安?
河合塾Kei-Net2027のボーダー得点率は、薬学部(A方式Ⅰ期)が約63%、生命科学部(A方式Ⅰ期)が約62〜64%です。年度で動くので出願前に確認してください。
Q7. 薬学部6年間の学費はいくら?
大学への納付金の目安で約1,215万円です(実務実習費や国家試験対策費は学費に含まれます。教科書・生活費などは別途)。
Q8. 新卒合格率は9割台なのに、6年間で卒業・国家試験合格が約64%なのはなぜ?
分母が違うためです。新卒合格率は「その年度に卒業して受験した人」を分母にした数字で、64.3%は「入学者」を分母にした数字です。なお、合格者“数”は全国最多クラスですが、合格“率”で全国1位という意味ではありません。
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