青山学院大学理系を現役教員が徹底解説|偏差値・学費・相模原キャンパスと理工7学科+社会情報

青山学院大学理系徹底解説 アイキャッチ(2026年版) 私大上位校・大学別解説

青山学院大学理系を志望先の一つとして考えている方の中には、こんな悩みを持つ受験生が多いのではないでしょうか。

  • 「MARCH理系を考えているけれど、オープンキャンパスはどこに行けばいいか迷っている」
  • 「MARCH各校の理系の違いがよく分からない」
  • 「キャンパス立地の都合で、併願プランをどう組めばいいか困っている」

私は現役の私立理系教員(教員歴15年・化学担当)として、毎年MARCH理系を志望する生徒たちと面談を重ねています。その経験から見えてきた「青学理系は調べていくほど印象が変わる大学」という事実を、本記事でデータを添えてお伝えします。なお、青山学院大学の理系(理工学部・社会情報学部)は、神奈川県の相模原キャンパスで1〜4年間を完結します。文系7学部が集まる青山キャンパス(渋谷区)とは、物理的に分離されたキャンパスで学ぶ点が、まず押さえておきたいポイントです。

具体的には、青山学院大学理系の偏差値・学費・大学院進学率51.7%・看板研究7学科・入試戦略・就職実績・2027年度新設の統計データサイエンス学環まで、公式一次情報をもとに徹底解説します。「青学理系って実際どうなの?」という疑問に、データで丁寧にお答えしていきます。


  1. はじめに:青学理系は「研究志向×相模原ワンキャンパス×グローバル」の実力派
    1. 青学理系が向いている受験生
    2. 本記事で扱う2学部8学科+2027年統計DS学環の全体像
    3. この記事の使い方
  2. 青山学院大学とは|基本データ・150年超のキリスト教教育・グローバルのDNA
    1. 基本データ
    2. 沿革のハイライト
    3. 建学の精神とキャンパス再編の歴史
      1. なぜ理系は相模原なのか?
    4. 青学のグローバル教育のDNA
  3. 2学部8学科+統計DS学環|理工7学科・社会情報学科の全体像
    1. 理工学部7学科の構成
      1. 「理工学高度実践プログラム」とは
    2. 社会情報学部(文理融合学部)
    3. 2027年度設置届出中「統計データサイエンス学環」
    4. 2学部8学科+学環の一覧表
  4. 注目研究と看板分野|7学科の研究テーマと統計データサイエンス学環
    1. 理工7学科の看板研究室
    2. 研究志向を示す数字
  5. 相模原ワンキャンパス|「淵野辺で4年完結」の学習環境
    1. 「文系都心・理系郊外」の構造
    2. 相模原キャンパスの規模
    3. 淵野辺駅から徒歩7分・通学アクセス
    4. 相模原キャンパス特有の施設
  6. 青学理系の偏差値・難易度|MARCH内での位置と学科別ボーダー
    1. 学部別偏差値(河合塾基準・2026年度入試予想)
    2. 学科別偏差値の傾向
    3. 共通テスト利用ボーダー
    4. MARCH 5校の偏差値マップ
    5. 青学理系のポジション
  7. 青学理系の入試方式|全学部日程・個別A/B方式・社会情報学部4方式の戦略的活用
    1. 入試方式の全体マップ
    2. 全学部日程|2/7・併願戦略の基本
    3. 個別学部A方式|2/10・バランス型・英数理均等の安定志向
    4. 個別学部B方式|2/11・数理偏重型・理数が得意な受験生に有利
    5. A方式とB方式は日程分離→両方併願可能→1学科に3回挑戦できる
    6. 学科別の科目選択ルール+物理化学選択 早見表
    7. 社会情報学部の4方式|文理融合の入口
    8. 共通テスト利用
    9. 2025年度入試の実質倍率(情報テクノロジー全学部日程10.2倍・共テ12.0倍)
    10. 募集人数・倍率を加味した受験生視点の戦略まとめ
  8. 学費・奨学金|2026年度納入金と2027年新設「地の塩、世の光奨学金」
    1. 初年度納入金(2026年度入学者対象)
    2. 4年間総額の比較
    3. 「地の塩、世の光」奨学金(2027年度入学者から新設・申請受付2026年11月)
    4. 学内給付奨学金4制度(在学生向け・入学後申請)
    5. 大学院給付奨学金
    6. 学業成績優秀者表彰
  9. 青学理系の大学院進学・就職実績|内部進学93.1%+NTT/日立系SIerと院卒メーカーの二刀流
    1. 9-A. 大学院進学(学科別院進率・内部進学93.1%)
      1. 9-A-1. 理工学部全体 大学院進学率51.7%(318/615・MARCH内でも上位水準)
      2. 9-A-2. 学科別大学院進学率(2024年度卒)
      3. 9-A-3. 内部進学率の高さ(自院296名・93.1%)
      4. 9-A-4. 海外大学院進学者(2024年度卒・機械創造工学科から1名)
    2. 9-B. 学部就職(NTT系SIer・日立系SIerへの就職が目立つ)
      1. 9-B-1. 業種別就職傾向(情報通信46.6%・製造17.3%)
      2. 9-B-2. 学部全体の主要就職先TOP(NTT系14名・日立系13名)
      3. 9-B-3. NTT系14名+日立系13名のIT/SIer就職が目立つ
      4. 9-B-4. 社会情報学部の主要就職先(社会情報学部志望者重点読み)
    3. 9-C. 院卒就職(理工学研究科の主要就職先)
      1. 9-C-1. 理工学研究科はメーカー大手強(日本電気9・本田技研7・富士通6・キヤノン5・リコー5)
      2. 9-C-2. 学部就職と院修了就職の構造的な違い(SIer中心 vs 完成品メーカー中心)
      3. 9-C-3. 「研究したい人は内部進学→メーカー就職」の二刀流ルート
    4. 9-D. 全体まとめ
      1. 9-D-1. 400社実就職率31位
      2. 9-D-2. 業種別就職率の長期傾向
  10. MARCH内ポジション|青学理系の5つの強み
    1. 青学理系の5つの強み
      1. 強み1:大学院進学率MARCH内最高水準(理工51.7%・機械68.4%・内部進学93.1%)
      2. 強み2:相模原ワンキャンパス×4学部約5,300人の規模
      3. 強み3:入試戦略の自由度(全学部併願特例+A/B方式日程分離+社会情報学部4方式)
      4. 強み4:NTT系・日立系SIerへの就職が目立つ学部就職/メーカー大手への院修了就職
      5. 強み5:2027年青山キャンパス初の理系学士課程「統計データサイエンス学環」
    2. 青学がハマる受験生 3タイプ
    3. 青学以外も比較したい人(3タイプ)
      1. タイプ1:「建築を学びたい」受験生
      2. タイプ2:「都心キャンパスで4年間学びたい」受験生
      3. タイプ3:「学部卒でメーカー技術職を最優先したい」受験生
  11. 校風・学生生活|English Coreと相模原ワンキャンパスの日常
    1. 校風の特徴(キリスト教主義+グローバル+自由)
    2. 理工学部「English Core」必修
    3. キリスト教教育の理系学生への接点
    4. 学園祭(青山祭・相模原祭)
    5. 駅伝部・体育会の伝統
  12. よくある質問(Q&A)
    1. Q1. 青学理工と芝浦工業大学、どちらを選ぶべきですか?
    2. Q2. 青学で建築は学べますか?
    3. Q3. 「地の塩、世の光」奨学金は今すぐ使えますか?
    4. Q4. 相模原キャンパスから渋谷の青学キャンパスへ移動することはありますか?
    5. Q5. 個別学部A方式とB方式の違いと、どちらを選ぶべきですか?
    6. Q6. 全学部日程の併願特例は具体的にどう使いますか?
    7. Q7. 青学理工の大学院進学率が高いのは内部進学があるからですか?
    8. Q8. 社会情報学部は文系?理系?どちらの受験生に向いていますか?
    9. Q9. 青学理工と中央理工系、どちらを選ぶべきですか?
    10. Q10. 青学理工と法政理工、どちらが難しいですか?
  13. まとめ|青学理系は「研究志向・受験戦略・就職力」で選ぶ
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  15. 注記:記事内データの取得日一覧

はじめに:青学理系は「研究志向×相模原ワンキャンパス×グローバル」の実力派

青山学院大学の理系は、MARCH内でも独自のポジションを築いています。理工学部の大学院進学率51.7%はMARCH 5校の中でも上位水準、機械創造工学科は68.4%という研究志向の数字を示します(2024年度卒・青学公式『進学者内訳』)。

加えて、相模原キャンパスでは理系・社会情報・地球社会共生・コミュニティ人間科の4学部約5,300人が1〜4年間を共に過ごします。海外協定校144校・英語開講252科目という青学全体のグローバル教育のDNAも、理系学生に直接届く環境です。

しゅん

青学の理系って相模原にあるんですね。MARCHの中でも独特の位置にあるんだ。

みお

データを見ると、機械創造工の院進率68.4%ってかなり高いですよね。研究志向の理系受験生にとって、青学はかなり気になる選択肢かもしれません。

さくら先生

そうなんです。青学理系を「渋谷ブランドだけ」で判断するのは、もったいない。MARCH内でも研究力と入試戦略の自由度に独自の強みを持つ大学です。この記事で、データに基づいた青学理系の実像を一緒に見ていきましょう。

青学理系が向いている受験生

データを見てきた経験から、青学理系がフィットする受験生は次の3タイプに分かれます。

タイプA:研究志向

学部卒で就職するより、大学院に進学して研究を深めたい受験生。青学理工は学部全体の院進率が高く、内部進学のしやすさも強みです。

タイプB:青学ブランドと理系の学びを両立したい

「青学ブランドと理系の学びを両立したい」というタイプ。青学のグローバル教育の伝統と、相模原ワンキャンパスの落ち着いた研究環境を両立できます。

タイプC:グローバル志向

理工学部「English Core」必修・海外協定校144校・派遣留学112-132名/年という青学のグローバル教育を、理系学生として活用したい受験生。

本記事で扱う2学部8学科+2027年統計DS学環の全体像

青学理系の全体像は次のとおりです。

  • 理工学部:7学科(物理科学/数理サイエンス/化学・生命科学/電気電子工/機械創造工/経営システム工/情報テクノロジー)・在籍2,434名
  • 社会情報学部:1学科(社会情報学科)・在籍960名・2008年設置の文理融合学部
  • 統計データサイエンス学環(2027年度設置届出中):青山キャンパス初の理系学士課程・入学定員60名・5学部連係課程

合計すると約3,500名規模の理系・文理融合の学びが、青山学院大学にはあります。

この記事の使い方

本記事は、MARCH比較記事から「青学理系をもう一歩深く知りたい」と来てくださった方や、「青学・理系」で検索してこのページに直接たどり着いた方に向けて書いています。

データを多く盛り込んでいますが、知りたい情報から読んでいただいて結構です。


青山学院大学とは|基本データ・150年超のキリスト教教育・グローバルのDNA

青学理系を理解するには、まず大学全体の成り立ちを押さえておきましょう。「青学=渋谷のオシャレな大学」という一般的なイメージの裏には、150年超のキリスト教教育の歴史と、グローバル教育のDNAが流れています。

基本データ

青山学院大学の基本データは以下のとおりです(2025年5月1日時点・青学公式)。

項目 内容
正式名称 青山学院大学(Aoyama Gakuin University)
学校法人名 青山学院
新制大学開設 1949年
学長(2026年) 稲積 宏誠
学部総数 11学部(2027年度に「統計データサイエンス学環」設置届出中)
学部総学生数 約20,011人
留学生数 696人
海外協定校数 144校
英語開講科目数 252科目(学部+大学院合計)
理工学部 専任教員数 約135名

注目したいのは、海外協定校144校・英語開講252科目・留学生40ヶ国という国際性です。これは青学全体としての強みで、理工学部にも波及しています。

沿革のハイライト

青学の歴史は、米国メソジスト監督教会の宣教師たちが日本で設立した3つの学校から始まります。

  • 1874年:女子小学校(麻布)設立 ← 源流①
  • 1878年:耕教学舎(築地)設立 ← 源流②
  • 1879年:美會神学校(横浜)設立 ← 源流③
  • 1927年:「青山学院」成立(3つの源流が合同)
  • 1949年:新制大学開設
  • 1965年理工学部設置
  • 2008年:社会情報学部設置(相模原キャンパス・文理融合)
  • 2013年:キャンパス再編(文系7学部は青山/理系を含む4学部は相模原)
  • 2027年(予定):統計データサイエンス学環設置(青山キャンパス・5学部連係)

理工学部は設置から60年余りの歴史を持つ、MARCHの中でも歴史ある理工学部の一つです。

建学の精神とキャンパス再編の歴史

青学の建学母体は、米国メソジスト監督教会が派遣した宣教師たちでした。建学の精神「地の塩、世の光」は、聖書マタイ福音書5章13-16節を典拠としています。「目立たぬ行いで社会のために働く(地の塩)」と「希望の光として励ましを発する(世の光)」の両面を持つサーバント・リーダーの育成が、大学の掲げる教育理念です。MARCH 5校のうちキリスト教系は青学(メソジスト派)と立教(聖公会派)の2校ですが、宗派は異なります。

なぜ理系は相模原なのか?

青学は長らく、複数の学部が相模原と青山に分かれて配置されていました。2013年の改編で、文系7学部はすべて青山キャンパス(渋谷区)に集約され、同時に理工・社会情報・地球社会共生・コミュニティ人間科の4学部は相模原キャンパス(神奈川県)で1〜4年間完結する体制が整いました。これは青学独自の戦略で、相模原キャンパスを「実学・国際性・少人数教育の拠点」として位置づけ直したものと理解できます。

相模原キャンパスにはC棟「ウェスレー・チャペル」が設置され、ステンドグラス・カリオン・パイプオルガンを備えた本格的なチャペルとして、理工系学生も希望すれば礼拝に参加できます(任意)。理系を含む単独キャンパス(4学部約5,300人規模)に本格的なチャペルを持つ点は、青学相模原ならではの環境です(MARCH内では立教の池袋キャンパスにも本格チャペルがあります)。

しゅん

そうなんだ。文系と理系で立地の機能分担があるんですね。

さくら先生

はい、青学理系は「相模原で4年間完結」が本拠地、と覚えておきましょう。

青学のグローバル教育のDNA

青学の最大の強みの一つが、グローバル教育の伝統です。

項目 数値(2025年5月1日時点)
海外協定校数 144校
留学生数 696人
留学生の国数 40ヶ国
英語開講科目数 252科目
派遣留学者数 112〜132人/年(2023〜2025年度)
海外拠点 アメリカ西海岸リエゾンオフィス(カリフォルニア州トーランス/Torrance)

これは大学全体の数値ですが、理工学部にも波及します。詳しくは第11章で「理工学部English Core」として解説しますが、青学では理工系学生にも本格的な英語教育を必修化しています。

みお

青学って文系のイメージだけど、データを見ると理系もグローバルなんですね。

さくら先生

そうなんです。「英語が苦手だから理系」という考えで青学を選ぶと、英語必修科目の量に驚くかもしれません。詳しくは第11章でお話ししますね。

青学沿革タイムライン(1874→1927→1949→1965→2008→2013→2027)

2学部8学科+統計DS学環|理工7学科・社会情報学科の全体像

青学理系の2学部体制と、2027年度に新設予定の統計データサイエンス学環について、全体像を整理します。約3,500名の理系学生が、相模原と青山の両キャンパスで学ぶ構造になっています。

理工学部7学科の構成

青学理工学部は、相模原キャンパスにある7学科体制です(在籍2,434名・募集定員680名)。

学科 1年計 全学年 入学定員 主な学び
物理科学 107 398 105 原子から宇宙まで・最先端の物理研究
数理サイエンス 54 200 55 純粋数学+応用数学
化学・生命科学 115 290 115 物質の本質を分子レベルから探究
電気電子工 131 442 120 電気・電子・通信技術
機械創造工 79 398 95 機械工学+ロボティクス
経営システム工 105 327 95 工学+経営科学
情報テクノロジー 102 366 95 IT基礎+応用
理工学部 計 693 2,434 680

出典:青学公式(2025年5月1日時点)

「理工学高度実践プログラム」とは

青学理工が公式に掲げる独自のカリキュラムが「理工学高度実践プログラム」です。

公式の説明によれば、これは「早期から本格学習」を可能にする仕組みで、優秀な学生が学部の早い段階から研究室の活動や専門科目に取り組めるプログラムです。研究志向の学生にとっては、4年間を最大限活用できる選択肢となっています。

加えて、青学全体で運用される「青山スタンダード」という共通教育システムがあり、理工学部の学生も人文・社会科学系の基礎科目を履修します。理工学だけに閉じない「総合大学の理系」としての教育設計です。

社会情報学部(文理融合学部)

青学のもう一つの理系関連学部が、社会情報学部です。

項目 内容
設立年 2008年4月
キャンパス 相模原キャンパス
学科構成 社会情報学科(単一学科)
入学定員 220人
在籍学生数 約960人

社会情報学部は、社会科学・人間科学・情報科学の3分野融合を掲げる文理融合学部です。「理系」と言い切るのは正確ではなく、「文系・理系どちらの受験生にも開かれた学部」が正しい表現です。

大学が掲げる「4つの力」は以下のとおりです。

  1. 社会への適応力(数理的素養)
  2. コミュニケーション能力
  3. 論理的な思考
  4. 情報の高度な応用

カリキュラムの特徴として、1年次に「コア科目」で3分野の概要を学び、2年次以降に「リエゾン科目」(学際)・「エリア科目」(専門)へ進む構造があります。プロジェクト・ベースド・ラーニング(PBL)も重視され、ソフトバンクとの協働実績や神奈川産学チャレンジプログラム最優秀賞などの実績も公表されています。

社会情報学部志望の方は、本記事の第7-7(入試方式)・第9-B(就職)・Q8(文系か理系か)を重点的にお読みください。

2027年度設置届出中「統計データサイエンス学環」

2026年5月時点で青学が大きく動かしているのが、統計データサイエンス学環の新設です。

項目 内容
学位 学士(データサイエンス)
入学定員 60名(収容定員240名)
設置キャンパス 青山キャンパス(東京都渋谷区) ※青山キャンパス初の理系学士課程
設置形態 学部等連係課程実施基本組織
連係協力学部 教育人間科学部・経済学部・法学部・経営学部・理工学部(計5学部)
基幹教員 20名程度
学びの特徴 1学年60名の少人数制/PBL型授業/1年次からゼミ形式
初年度納付金 1,867,000円
2027年度入学者選抜情報 2026年3月6日公表

出典:青学公式「statistical data science(特設サイト)」

これは青学の大きな転換点です。渋谷区青山キャンパスに「初めて」理系学士課程が設置されることになります(2027年度予定)。5学部連係課程として、文系学部の知見も取り込んだデータサイエンス教育を目指す設計です。

しゅん

学環って何ですか?普通の学部とどう違うんですか?

さくら先生

学環は「複数の学部が連係して運営する学位課程」のことです。学部の壁を越えて教員と科目を共有するので、データサイエンスのような領域横断的な学びに向いています。

みお

青山キャンパスで理系を学べるって、青学にとっては結構大きな変化ですね。

さくら先生

そうなんです。これまで「文系=青山・理系=相模原」だった青学の構図が、2027年度から少し変わります。データサイエンス志望の受験生は、ぜひ覚えておきましょう。

2学部8学科+学環の一覧表

最後に、青学理系の全体像を一覧で整理しておきます。

学部・学環 学科数 キャンパス 入学定員 在籍学生数 設立年
理工学部 7 相模原 680 2,434 1965年
社会情報学部 1 相模原 220 960 2008年
既設2学部 合計 8学科 900 3,394人
統計データサイエンス学環 青山 60 (収容定員240・2027年度開設予定) 2027年(予定)
2学部8学科+学環マップ

注目研究と看板分野|7学科の研究テーマと統計データサイエンス学環

青学理工が他のMARCH理系と差別化される最大のポイントの一つが、研究志向の強さです。第9章で詳しく見ますが、理工学部の大学院進学率は51.7%(2024年度卒)で、MARCH 5校の同期データの中でも上位水準にあります(2024年度卒・各大学公式進路報告)。

ここでは、青学理工7学科それぞれの公式が紹介する代表的な研究室と、研究志向の数字を整理します。

理工7学科の看板研究室

各学科の公式トップページで紹介されている代表研究室を一覧にしました。

学科 公式紹介の代表研究室 研究テーマ(何を研究/何がすごいか)
物理科学 富重 道雄 研究室 一分子生物学・分子モーター観察/高感度顕微鏡で生命のナノマシン解明
数理サイエンス 中田 行彦 研究室 微分方程式・数理生物学/感染症流行や人口動態を数式で予測
化学・生命科学 田邉 一仁 研究室 生体分析化学/新薬・診断薬・医療用新材料の開発
電気電子工 黄 晋二 研究室 グラフェン・ナノ炭素材料/透明アンテナ・バイオ燃料電池
機械創造工 田崎 良佑 研究室 知技能ロボティクス/医療介護リハビリ向け次世代ロボット
経営システム工 小林 和博 准教授 研究室 数理最適化/物流・スケジューリングのアルゴリズム実装
情報テクノロジー 伊藤 雄一 研究室 コンピュータヒューマンインタラクション/センサ・AIで人を再設計

出典:各学科公式ページ(取得日 2026-05-25)

特に注目したいのは以下です。

物理科学|富重道雄研究室:高感度顕微鏡で分子モーター(タンパク質)の動きを直接観察し、生命のナノマシン創成を探求する研究室です。生物学と物理学の境界領域で、先端的な研究を行っています。

化学・生命科学|田邉一仁研究室(生体分析化学研究室):有機化学・物理化学・生化学・ナノテクノロジーを融合し、新しい治療薬・診断薬・医療用新材料の開発を行っています。「化学を医療に活かす」研究テーマは、医療系志望の受験生にも刺さるでしょう。

電気電子工|黄晋二研究室(先端素子材料工学研究室):グラフェンなどのナノ炭素材料を用いて、透明アンテナ・電気化学センサ・バイオ燃料電池などの次世代デバイスを開発しています。グラフェンは2010年にノーベル物理学賞の対象となった素材で、現在も世界中で応用研究が進む先端領域です。

機械創造工|田崎良佑研究室(知技能ロボティクス研究室):医療・介護・リハビリ向けの次世代ロボットを開発しています。少子高齢化社会で需要が拡大する分野で、就職にも直結する研究テーマです。

情報テクノロジー|伊藤雄一研究室(コンピュータヒューマンインタラクション研究室):人とコンピュータの関係を再設計するセンサ技術や、AIによる人のモデル化を研究しています。Apple Vision ProのようなXR時代のインターフェースを支える基礎研究です。

しゅん

グラフェンって、あのノーベル賞のですか?

さくら先生

そうです。青学の電気電子工は、その応用研究で先端的な成果を出しています。

みお

医療や介護のロボットも、青学で研究しているんですね。

さくら先生

研究テーマを見ると、青学理工は「生命・医療・先端材料・AI」など、社会と直結する応用研究が強い印象ですね。

研究志向を示す数字

青学理工が「研究志向の理学・工学」であることは、データではっきり示されています。

学科別大学院進学率(2024年度卒・青学公式『進学者内訳』)

学科 大学院進学率
機械創造工 68.4%(MARCH 5校の同期データではMARCH内最高水準)
電気電子工 63.7%
物理科学 60.0%
化学・生命科学 56.1%
理工学部 全体 51.7%
情報テクノロジー 44.1%
数理サイエンス 37.5%
経営システム工 32.3%

出典:青学公式PDF「2024年度進学者内訳」(取得日 2026-05-25)

特筆すべきは、機械創造工・電気電子工・物理科学の3学科がすべて60%を超える院進率を示している点です。これは「青学理工=学部全体として研究志向が強い」ことを表しています。

理工学部全体の51.7%は、明治理工49.0%(2024年度卒・明治公式)を上回るMARCH内でも上位水準の数値です。なお、第4-1で紹介した電気電子工学科の黄晋二教授は青学理工学研究科の現研究科長でもあり、グラフェン研究という最先端の領域で活躍されている事実は、青学理工大学院の研究レベルを象徴する一面と言えるでしょう。加えて、2027年度新設の統計データサイエンス学環(第3-3参照)も、文系4学部と理工学部の連係課程として、青学の研究領域をさらに広げる存在になりそうです。

7学科の看板研究マップ
しゅん

青学理工って、研究室を見ても本当に研究志向なんですね。

さくら先生

そうですね。MARCH他校と比べると、青学理工は院進を選ぶ学生が多い傾向にあります。研究したい受験生にとっては、相性が良い大学と言えるでしょう。


相模原ワンキャンパス|「淵野辺で4年完結」の学習環境

第2-3でも触れたとおり、青学理系は神奈川県の相模原キャンパスにあります。文系7学部の青山キャンパス(渋谷区)とは、物理的に分離された別キャンパスです。

この章では、相模原キャンパスの実像を、規模・アクセス・特徴的な施設の3つの軸から詳しく見ていきます。

「文系都心・理系郊外」の構造

青学の2キャンパス体制は、2013年の改編で次のように整理されました。

キャンパス 所在地 最寄駅 所属学部
青山 東京都渋谷区渋谷4-4-25 渋谷駅徒歩10分/表参道駅徒歩5分 文・教育人間科・経済・法・経営・国際政経・総合文化政策(文系7学部)
相模原 神奈川県相模原市中央区淵野辺5-10-1 JR横浜線「淵野辺」徒歩約7分 理工・社会情報・地球社会共生・コミュニティ人間科(4学部)

「青学に行く=渋谷に通う」というイメージは、文系学生にとっては正しいです。しかし理系・社会情報・地球社会共生・コミュニティ人間科の4学部の学生は、1〜4年間を相模原キャンパスで過ごすことになります。

相模原キャンパスの規模

相模原キャンパスには、4学部約5,300人の学生が在籍しています(2025年5月1日時点・青学公式PDF「学生定員・在籍学生数・収容定員充足率」より)。

学部 在籍学生数(2025年5月1日時点)
理工学部 2,434人
社会情報学部 960人
地球社会共生学部 839人
コミュニティ人間科学部 1,027人
相模原キャンパス 合計 5,260人

出典:青学公式PDF「学生数(学生定員・在籍学生数・収容定員充足率)[学部]2025年度」

4学部約5,300人が同じキャンパスで学ぶため、相模原は 5,000人規模の中規模大学に近い規模感 を持ちます。理工・社会情報・地球社会共生・コミュニティ人間科という 多様な学問分野が集まる文理融合の場 として独自性を持ち、サークル活動や学園祭の規模も、ワンキャンパスならではの一体感があります。

淵野辺駅から徒歩7分・通学アクセス

相模原キャンパスへのアクセスは、JR横浜線「淵野辺駅」から徒歩約7分です。

主要駅からの所要時間(公式およびYahoo!路線情報による参考値):

出発駅 所要時間 経路
町田駅 約6分 JR横浜線(青学公式記載値)
長津田駅 約12分 JR横浜線(青学公式記載値)
八王子駅 約20分 JR横浜線直通
横浜駅 約39分 JR横浜線桜木町行直通
新宿駅 約53分 淵野辺→町田(JR横浜線)→新宿(小田急小田原線快速急行)
渋谷駅 約55分 淵野辺→長津田(JR横浜線)→渋谷(東急田園都市線準急)

※町田・長津田までは青学公式「2キャンパス間アクセス」の記載値(乗換時間含まず)。他駅はYahoo!路線情報の平日昼間検索値(取得日2026年5月26日)。

東京方面からは50分〜1時間、神奈川県内(横浜・町田)からは数分〜40分でアクセスできます。「都心から遠い」という印象を持つ受験生もいますが、町田・八王子・横浜方面からはJR横浜線1本で30分以内、東京・渋谷方面でも1時間以内と、東京西部・神奈川県内の在住者には通学しやすい立地です。

相模原キャンパス特有の施設

相模原キャンパスには、4学部約5,300人の規模を活かした特徴的な施設が揃っています。ここでは「単独キャンパスではなかなか持てない」相模原ならではの施設を中心に紹介します。

K棟 先端技術研究開発センター(CAT)は、青学理工の研究力を象徴する建物です。2002年に文部科学省「21世紀COEプログラム」の研究教育拠点に選定された実績を持ち、機器分析センター・環境安全センターも併設しています。21世紀COEプログラムは、文部科学省が世界水準の研究教育拠点を選定する制度で、選定された当時の研究レベルが国際的に評価されたことを意味します。

I棟 大型実験施設には、機械創造工学科の実習に必須の機械工作室(旋盤・フライス盤・3Dプリンタを完備)と、アイソトープ実験センター(放射性同位元素を用いた化学・生命科学・物理研究を行う施設)があります。アイソトープ実験施設は私立大学の理系キャンパスでも数が限られ、研究志向の青学理工を象徴する設備です。

C棟 ウェスレー・チャペルは、ステンドグラス・カリオン・パイプオルガンを備えた本格的なチャペルです。青学の建学の精神「地の塩、世の光」を体現する施設で、理工系学生も希望すれば礼拝に参加できます(任意)。MARCH内で本格的なチャペルを持つキャンパスは青学相模原と立教池袋ですが、理系学生が日常的に通うキャンパスにある点が青学相模原の独自性です。

その他、B棟 メディアセンターには万代記念図書館(開架16万冊/自動書庫68万冊)が、A棟 アリーナにはバスケ・バレー・バドミントンの対外試合可能な体育館があるなど、4学部規模ならではの大型施設も完備しています。

しゅん

4学部規模のキャンパスだからこそ持てる施設が多いですね。

さくら先生

そうなんです。1〜4年ずっと同じキャンパスで過ごせる安心感と、4学部の交流による刺激の多さは、ワンキャンパスの強みです。チャペルも希望すれば誰でも参加できますよ。

相模原キャンパス施設マップ(学科別配置を可視化)

相模原キャンパスは淵野辺で4年間を過ごす場所です。通学のしやすさや研究施設の雰囲気は、オープンキャンパスで実際に確かめておくと安心です。OCでの回り方・見るべき点・質問例は、オープンキャンパス完全ガイドでくわしく解説しています。青学を含むMARCH理系のOC日程・対象学部・予約開始日は、MARCH理系オープンキャンパス2026でまとめています。


青学理系の偏差値・難易度|MARCH内での位置と学科別ボーダー

ここからは受験生が最も気になる偏差値の話に入ります。本ブログでは全記事を通じて、偏差値は河合塾Kei-Net基準で統一しています。他社(駿台・ベネッセ等)の数値とは異なる場合があるので、ご注意ください。

学部別偏差値(河合塾基準・2026年度入試予想)

青学理系の偏差値レンジを学部別に整理すると、次のとおりです。

学部 偏差値レンジ 共テ得点率
理工学部 55.0〜60.0 77〜85%
社会情報学部 52.5〜60.0 78〜85%

出典:河合塾Kei-Net(2026年度予想ボーダー・第1回/26/01/21更新版)

理工学部はMARCH内で「中位〜上位」のレンジ、社会情報学部は「中位」のレンジに位置します。最高値は両学部とも60.0で、これは明治理工・中央理工系の最高値と同水準です(参考:立教理学は最高57.5)。

学科別偏差値の傾向

学科別の偏差値を見ると、青学理工の中での難易度差が見えてきます。

理工学部(個別学部日程ベース・河合塾2026年度予想)

学科 個別学部A方式 個別学部B方式 全学部日程 共テ4科目型
物理科学 57.5 55.0 55.0 77%
数理サイエンス 55.0 55.0 55.0 77%
化学・生命科学 55.0 57.5 57.5 84%
電気電子工 52.5 55.0 55.0 79%
機械創造工 55.0 55.0 57.5 79%
経営システム工 55.0 57.5 57.5 80%
情報テクノロジー 57.5 60.0 57.5 85%

出典:河合塾Kei-Net(2026年度予想ボーダー・取得日 2026年5月)

最も難易度が高いのは情報テクノロジー学科で、個別学部B方式60.0・共テ4科目型85%が青学理工内のトップです。これは情報系の人気と直結しており、第7-9で見る入試倍率にも反映されています。

逆に比較的検討しやすいのは、電気電子工A方式(52.5)・数理サイエンス各方式(55.0)です。基幹的な工学分野で、偏差値だけ見ると入りやすい印象です。

社会情報学部(河合塾2026年度予想)

方式 偏差値
個別学部B方式 57.5
個別学部C方式 57.5
個別学部D方式 57.5
全学部A方式 57.5
全学部B方式 57.5
個別学部A方式(共テ併用) 60.0
共テ3科目型

社会情報学部は方式間でほとんど差がない構造です(57.5〜60.0)。個別学部A方式(共テ併用)のみが60.0でやや高め、それ以外はすべて57.5に並びます。

共通テスト利用ボーダー

共通テスト利用方式での得点率ボーダーも整理しておきます。

学科 共テ4科目型(理工)/3-5科目型(社会情報学部)の得点率
情報テクノロジー 85%
化学・生命科学 84%
経営システム工 80%
電気電子工 79%
機械創造工 79%
物理科学 77%
数理サイエンス 77%

情報テクノロジーが85%でトップ、次いで化学・生命科学84%です。学科間で6〜8ptの差があり、これは出願戦略を立てる材料になります。

ただし、共通テスト利用は募集人員が少なく(理工各学科約10名)、第7-9で見るように実質倍率が高くなる傾向にあります。情報テクノロジー学科の共テ利用は12.0倍(2025年度)と、青学理工内で最も狭き門です。

MARCH 5校の偏差値マップ

MARCH 5校の理系全体での位置関係を把握しておきましょう(個別学部日程ベース)。

大学 学部 偏差値レンジ
明治 理工 57.5〜62.5
明治 60.0〜62.5
明治 総合数理 60.0〜62.5
青学 理工 55.0〜60.0
青学 社会情報 52.5〜60.0
立教 55.0〜57.5
中央 基幹理工 55.0〜60.0
中央 社会理工 55.0〜60.0
中央 先進理工 57.5〜60.0
中央 国際情報 57.5〜60.0
法政 理工 52.5〜57.5
法政 情報科学 55.0〜57.5
法政 デザイン工 55.0〜60.0
法政 生命科学 52.5〜57.5

出典:河合塾Kei-Net(2026年度予想ボーダー)

青学理系のポジション

これらのデータから読み取れる青学理系のポジションは、次のとおりです。

  • 上位水準(60.0):情報テクノロジーB方式・社会情報A方式(共テ併用)
  • 中位水準(55.0〜57.5):理工学部の大半の学科・方式・社会情報の大半
  • MARCH内位置:明治よりやや低く、中央・法政と重なる部分が大きい、立教は青学より上限がやや低め

第1層(早慶上理):早稲田理工系65.0〜67.5/慶應理工65.0/上智理工57.5〜62.5/東京理科大B方式57.5〜62.5

第2層(MARCH理系):明治57.5〜62.5/青学55.0〜60.0/中央55.0〜60.0/立教55.0〜57.5/法政52.5〜60.0

第3層(4工大):芝浦工大52.5〜57.5/東京都市大47.5〜55.0/東京電機大47.5〜52.5/工学院50.0〜57.5

青学理系はMARCH内で中堅から上位の難易度です。上位は早慶上理下位や東京理科大と重なり、下位は4工大の上位校(芝浦・工学院)と重なる広いレンジになっています。

みお

私の志望は55くらいだけど、青学理工なら数理サイエンスや電気電子工のA方式が狙えそうですね。

さくら先生

そうですね。ただし偏差値だけで決めず、第7章で見る方式別の倍率や、第4章の研究テーマの興味とも合わせて判断しましょう。

しゅん

情報テクノロジーだけ60.0で頭一つ抜けてるんですね。

さくら先生

情報系の人気はどの大学でも高いですが、青学情報テクノロジーは特に倍率も高いです。第7章で詳しく見ましょう。

MARCH 5校の偏差値マップ(青学強調版)

青学理系の入試方式|全学部日程・個別A/B方式・社会情報学部4方式の戦略的活用

青学理系の入試方式は、MARCH内でも自由度の高さで知られます。理工学部だけでも「全学部日程」「個別学部A方式」「個別学部B方式」「共通テスト利用」の4方式があり、社会情報学部に至っては個別4方式+全学部2方式+共テ利用と多彩です。

この章では、各方式の特徴と、受験生タイプ別の戦略を整理します。

入試方式の全体マップ

青学理工の入試方式を全体図で見ると、次のようになります(2026年度入試)。

方式 試験日 配点 特徴
全学部日程 2月7日(土) 400点 他学部と同一問題・理工7学科併願特例あり
個別学部A方式 2月10日(火) 450点 理工独自問題・英数理バランス型
個別学部B方式 2月11日(水) 500点 理工独自問題・数理偏重型
共通テスト利用 共テ受験日 共テのみ 学科別の科目型あり

出典:青学公式PDF「2026年度入学者選抜要項」(取得日 2026-05-25)

A方式とB方式が日程分離(2/10と2/11)しているため、両方併願が可能です。さらに全学部日程(2/7)も加えると、2月入試で同一学科に最大3回挑戦できる設計になっています(共通テスト利用も含めると4回)。

全学部日程|2/7・併願戦略の基本

全学部日程は、青学全学部が同一日(2/7)に同一問題で実施する方式です。配点は400点で、英語150点・数学150点・理科100点のバランス型です。

この方式の最大の特徴は、理工7学科併願特例です。

[理工学部]
・[物理(物理基礎・物理)を選択する場合]:理工学部全7学科のうち、2つの学科もしくは3つの学科の組み合わせ
・[化学(化学基礎・化学)を選択する場合]:「物理科学科」を除く6学科のうち、2つの学科もしくは3つの学科の組み合わせ

出典:青学公式PDF「2026年度入学者選抜要項」p.41

つまり全学部日程では、1回の試験で2〜3学科を併願できるのです。物理選択者なら理工7学科すべて、化学選択者なら6学科(物理科学を除く)の中から、志望順位を付けて2〜3学科に出願できます。

この制度の使い方には注意点があります。試験日程が比較的早く、志望順位の上位学科から順に合否判定されるため、早慶上理を本命とする上位層には「滑り止め」として有効ですが、青学を第一志望とする受験生にはやや厳しい現実もあります。

青学理工を第一志望とする受験生にとっては、本命は個別学部A方式・B方式になります。全学部日程は「受験回数を増やすため」「本番前の実戦練習として」活用するのが現実的な使い方です。

個別学部A方式|2/10・バランス型・英数理均等の安定志向

個別学部A方式は、理工学部独自の入試です。試験日は2月10日(火)、配点450点で英語150点・数学150点・理科150点の均等バランス型になっています。

科目 時間 配点
外国語(英語) 80分 150点
数学 100分 150点
理科 80分 150点
合計 450点

数学100分・理科80分という時間設定は、全学部日程より長く、より深い問題に挑戦できる構造です。「3科目を均等に得意な受験生」「英語もしっかり対策してきた理系受験生」に向く方式です。

個別学部B方式|2/11・数理偏重型・理数が得意な受験生に有利

個別学部B方式は、A方式とは性格が大きく異なります。試験日は2月11日(水)、配点500点で英語100点・数学200点・理科200点の数理偏重型です。

科目 時間 配点
外国語(英語) 60分 100点
数学 100分 200点
理科 80分 200点
合計 500点

英語が60分・100点と圧縮され、その分数学と理科に重点配分されています。これは「英語より数学・理科で勝負したい受験生」と相性が良い方式です。

実際の比率を見ると、500点満点中、数理400点(80%)・英語100点(20%)の配分です。MARCH理系全体を見ても、これほど数理重視がはっきりした設計は限られます。

A方式とB方式は日程分離→両方併願可能→1学科に3回挑戦できる

A方式(2/10)とB方式(2/11)は試験日が分離しているため、両方を併願出願できるのが青学理工の大きなメリットです。

試験日 方式
2月7日(土) 全学部日程
2月10日(火) 個別学部A方式
2月11日(水) 個別学部B方式

例えば「情報テクノロジー学科を強く志望する」受験生なら、

  • 2/7 全学部日程 で情報テクノロジー学科を受験
  • 2/10 個別学部A方式 で情報テクノロジー学科を受験
  • 2/11 個別学部B方式 で情報テクノロジー学科を受験

…と3日連続で同じ学科に挑戦できます。さらに全学部日程の併願特例を活用すれば、1回の試験で複数学科に同時出願も可能です。

検定料割引制度はありませんが、合格チャンスを増やせる設計として大きなメリットです。

学科別の科目選択ルール+物理化学選択 早見表

理工7学科は、入試で必要な理科科目が学科ごとに異なります。「自分は物理が得意」「化学が得意」という受験生は、まず受験できる学科を確認しておきましょう。

物理・化学選択別の受験可能学科 早見表

受験生の科目選択 受験可能な学科数 詳細
物理選択 7学科すべて 物理科学・数理サイエンス・化学/生命・電気電子・機械創造・経営システム・情報テクノロジー
化学選択 6学科(物理科学不可) 数理サイエンス・化学/生命・電気電子・機械創造・経営システム・情報テクノロジー
物理・化学どちらも可 5学科(出願時選択) 数理サイエンス・電気電子・機械創造・経営システム・情報テクノロジー
物理 必須 1学科のみ 物理科学
化学 必須 1学科のみ 化学・生命科学

出典:青学公式PDF「2026年度入学者選抜要項」p.19-20・p.41より整理(取得日2026年5月25日)

生物選択者への注意点:青学公式PDFで確認できる範囲では、全学部日程の理科選択肢は「物理または化学」のみで、生物の選択枠はありません。個別学部A方式・B方式・共通テスト利用方式でも、理工7学科の入試科目として「物理」「化学」が指定されています。生物が得意な受験生は、青学理工受験のためには物理または化学への対策にシフトする必要があります(化学・生命科学科でも、入試で問われるのは「物理」または「化学」です。生物学的内容は入学後の専門科目で学びます)。

この表から見えてくる事実があります。

  • 物理選択者は青学理工の全7学科に挑戦できる(最も選択肢が広い)
  • 化学選択者は化学・生命科学を含む6学科に挑戦できる(物理科学のみ受験不可)
  • 数理サイエンス・電気電子・機械創造・経営システム・情報テクノロジーの5学科は両方の選択肢を持つ受験生も歓迎

「物理と化学どちらにするか迷っている」受験生は、5学科に挑戦できる柔軟性を考えると、出願校選びで青学が候補に入りやすいでしょう。

社会情報学部の4方式|文理融合の入口

社会情報学部の入試方式は、文理融合学部らしく多彩です。個別学部日程だけで4方式(A/B/C/D)あり、それぞれ受験生のタイプを変えています。

社会情報学部 個別学部日程 4方式の比較(2026年度)

方式 募集 試験区分 主な科目 配点 向く受験生
A方式 約45名 共テ+独自 共テ(国語+地理歴史・公民・情報)+独自英語 400点 文系も挑戦可・英語得意
B方式 約30名 独自 独自数学(数ⅠⅡAB+C)+英語 350点 数学得意(数Ⅲ不要)
C方式 約35名 独自 独自数学(数Ⅲ含む)+英語 450点 理系の数学得意者向き
D方式 約15名 独自 総合問題(論述)+英語 400点 思考力・論述型受験生

出典:青学公式PDF「2026年度入学者選抜要項」p.21

注目したいのはC方式です。数学Ⅲを含む独自数学250点+英語200点の450点満点で、理系の数学が得意な受験生に向く設計になっています。理工学部の入試方式と並行して、社会情報C方式を併願先として活用する戦略も可能です。

逆にA方式は共テ併用で、国語・地理歴史・公民・情報の文系科目を使えるため、文系受験生にも開かれています。社会情報学部が「文理融合」と呼ばれる所以が、この入試方式の多彩さに現れています。

D方式は青学特有の総合問題で、文章やデータを論理的に考察し的確に表現する力を問う論述型です。青学第一志望で過去問の総合問題が苦手でないと確認できる受験生にとっては、他のMARCH併願者と差別化しやすい入試方式です。ただし対策には時間的なコストがかかるため、第一志望でない人や総合問題が苦手な人にはおすすめできません。

社会情報学部志望者の方は、自分が「文系型」「数学型(数Ⅲなし)」「理系型(数Ⅲあり)」「思考力型」のどれに当てはまるかで、方式を選びましょう。

共通テスト利用

共通テスト利用方式は、独自試験を受けずに共通テストの得点のみで合否判定する方式です。

理工学部

  • 共テ4科目型(英語・数学・理科・国語または地公)
  • 各学科 約8〜10名募集

社会情報学部

  • 共テ3科目型(国語・英語+数学または地理歴史・公民・情報)
  • 共テ4科目A型・4科目B型・5科目型あり

共通テスト利用の最大のメリットは、青学に直接行かなくても出願できる点と、共通テスト1回の得点で合否が決まる手軽さです。一方で、第6-3で見たように得点率ボーダーが77〜85%と高く、募集人員も少ないため、実質倍率は高くなります。

注意点:共通テスト利用には、国公立大学を第一志望とする受験生や、早慶上理を本命とする受験生が多く出願してきます。そのため得点率ボーダーは高めに推移し、原則として青学を第一志望とする受験生向けの方式ではない点を押さえておきましょう。青学第一志望なら、個別学部日程A方式・B方式・全学部日程が本命です。

2025年度入試の実質倍率(情報テクノロジー全学部日程10.2倍・共テ12.0倍)

参考までに、2025年度入試の実質倍率(受験者÷合格者)をまとめます。

ただし、倍率は参考程度に:受験戦略を立てる上では、実は倍率よりも合格最低点・ボーダー得点率・募集定員の方が重要です。共通テスト利用は募集定員が少ないため倍率が上がりやすく、個別方式では一般的に募集定員が多い方式の方が有利になるケースが多いです(受験科目の配点が自分の得意・不得意と合致するかは個別判断)。倍率の数字に振り回されないよう注意しましょう。合格最低点やボーダーの詳しい解説は別記事で扱う予定です。

理工学部 2025年度実質倍率(抜粋・各学科で最も高い方式)

学科 最高倍率の方式 倍率
情報テクノロジー 共テ利用 12.0倍
情報テクノロジー 全学部日程 10.2倍
化学・生命科学 共テ利用 6.9倍
化学・生命科学 全学部日程 6.2倍
機械創造工 全学部日程 6.1倍
電気電子工 全学部日程 5.1倍
経営システム工 共テ利用 5.0倍
物理科学 個別A方式 4.0倍
数理サイエンス 個別B方式 3.7倍
電気電子工 個別A方式 3.2倍

出典:青学公式PDF「2025年度入学者選抜結果」(取得日 2026-05-25)

情報テクノロジー学科の人気が突出しており、全学部日程10.2倍・共テ利用12.0倍は青学理工の中でトップです。化学・生命科学の共テ利用も6.9倍と高く、共テ利用は全般的に倍率が高い傾向があります。

逆に倍率が比較的落ち着いているのは、物理科学(個別A 4.0倍)・数理サイエンス(個別B 3.7倍)・電気電子工(個別A 3.2倍)です。

社会情報学部 2025年度実質倍率

方式 倍率
共テ3科目型 11.0倍
共テ4科目A型 8.8倍
共テ4科目B型 9.6倍
共テ5科目型 9.6倍
個別学部B方式 4.4倍
全学部日程B方式 4.9倍
全学部日程A方式 4.7倍
個別学部D方式 4.3倍
個別学部C方式 3.7倍
個別学部A方式 3.4倍

出典:同上

社会情報も共テ利用方式が突出して高く、個別学部日程は3.4〜4.4倍の範囲です。個別学部A方式(共テ併用)が3.4倍と最も低いのは、文系・理系どちらも併願先として選びやすいA方式の特性です。

募集人数・倍率を加味した受験生視点の戦略まとめ

ここまでの情報を、受験生タイプ別の戦略にまとめます。

受験生タイプ おすすめ方式 理由
数学・理科が得意・青学第一志望 個別学部B方式(理工)・社会情報C方式 数理偏重配点で英語の負担減
英語が得意・青学第一志望 個別学部A方式(理工)・社会情報A方式 英語の配点比重が高い
滑り止め確保(青学合格ラインより上の学力層) 共通テスト利用+全学部日程 共テ高得点と全学部の併用で滑り止めを安定確保
理系で社会情報学部志望 社会情報C方式(数Ⅲ含む) 数学得意で活路あり
しゅん

2月入試の中で同じ学科に3回挑戦できるんですね。

さくら先生

そうですね。明治・中央・立教にも複数方式の併願制度はありますが、青学のA/B日程分離は同一学科を複数回受験する選択肢を明確に提示している点が分かりやすい設計です。

みお

B方式って英語短いんですね。

さくら先生

はい、英語60分100点で、数学100分200点・理科80分200点の数理偏重型です。英語にちょっと自信がない理数得意な受験生に、相性が良い方式ですよ。

しゅん

社会情報学部のC方式って、数学Ⅲまで出るんですね。理系志望でも併願候補になりそう。

さくら先生

そうですね。理系志望でも国語などの文系科目が得意な生徒は、社会情報学部を受けるという戦略もあり得ます。社会情報学部志望でなくても、併願先として検討してみてください。

みお

情報テクノロジーの倍率10倍超ってすごい。

さくら先生

情報系の人気はどの大学でも高いですが、青学情報テクノロジーは特に集中する傾向があります。狙う場合は、A方式・B方式・共テ利用を全部組み合わせる戦略がおすすめです。

青学理系受験戦略フローチャート(受験生タイプ別の最適方式選択)

学費・奨学金|2026年度納入金と2027年新設「地の塩、世の光奨学金」

入試方式に続いて気になるのが学費です。MARCH内での位置と、青学独自の奨学金制度を整理します。特に2027年度から新設される「地の塩、世の光奨学金」は、地方出身受験生にとって大きな経済的選択肢になり得ます。

初年度納入金(2026年度入学者対象)

青学理系の初年度納入金は次のとおりです(2026年度入学者対象)。

学部 入学金 初年度授業料(年間) 在籍基本料・施設設備料・教育活動料(年間) 初年度合計(前期+後期)
理工学部 200,000円 1,181,000円 498,000円 2,079,000円
社会情報学部 200,000円 1,007,000円 421,000円 1,728,000円

出典:青学公式PDF「2026年度入学者学費等一覧」(取得日 2026-05-25)

※上記に加え、初年度のみ実験実習料(理工:30,000円・社会情報学部:30,000円)、諸会費(学友会費3,500円・後援会費5,000円・校友会費・学会費)が各学期に発生します。

4年間総額の比較

4年間の納入金総額は次のとおりです。

学部 4年間総額
理工学部 7,066,000円
社会情報学部 6,060,000円

理工学部の7,066,000円は、MARCH内では中位〜上位水準です。MARCH 5校の理系学費を比較すると、明治理工は4年間で約694万円と青学より約12万円安く、立教理学部は約660〜684万円で青学より22〜46万円安め。中央理工系は約707万円で青学とほぼ同水準(約9千円高い)です(出典:当ブログ「MARCH理系徹底比較」の4年間総額ランキング)。

社会情報学部の6,060,000円は、文系学部に近い学費構造です。理工系よりも実験実習費が少ない分、4年間で約100万円安くなっています。

「地の塩、世の光」奨学金(2027年度入学者から新設・申請受付2026年11月)

青学が2027年度入学者から新設する予約型給付奨学金が、「地の塩、世の光」奨学金です。これは大きな注目ポイントです。

項目 内容
名称 地の塩、世の光奨学金
種別 給付(返還不要)
支給金額 年額500,000円(原則4年間継続)
採用候補者数 約350名
4年間総額 2,000,000円
申請対象 一般選抜または共テ利用入試の受験者(推薦・特別入試対象外)
申請資格 東京都(島しょ部除く)・神奈川・埼玉・千葉以外の道府県出身+自宅外通学
家計要件 給与・年金収入金額(税込)父母合算800万円未満
申請期間 第1回:2026年11月4日〜25日/第2回:2027年1月8日〜22日

出典:青学公式「奨学金」ページ(取得日 2026-05-25)

重要な注意点:本制度は2027年度入学者向けに新設される予定であり、記事執筆時点(2026年5月)では採用実績はまだありません。申請受付は2026年11月から始まる予定です。

対象は 2027年度に青山学院大学を受験する方(一般選抜または共通テスト利用入学者選抜の受験者・推薦入試等の特別入試は対象外)。記事公開時点(2026年5月)では、現在の高校3年生がこの制度の最初の申請対象となります。2025年度・2026年度入学者は対象外です。

「高等教育の修学支援新制度」「多子世帯への授業料無償化」と併願・併給はできません。地方出身者向けの強力な選択肢として、対象となる受験生は要チェックです。

学内給付奨学金4制度(在学生向け・入学後申請)

「地の塩、世の光」は入学前の予約型ですが、入学後に申請できる学内給付奨学金もあります。

制度名 給付金額
青山学院大学 経済支援給付奨学金 年間授業料相当額限度
青山学院大学 経済支援給付奨学金(緊急対応) 年間授業料相当額限度
青山学院大学 経済援助給付奨学金 500,000円(年額) ※4年次学生対象
青山学院 万代基金給付奨学金 年間授業料相当額限度

出典:青学公式「奨学金」ページ

最上位枠では「年間授業料相当額が全額免除」となる制度もあります。家計急変や経済状況の変化があった場合に申請できる制度設計です。

大学院給付奨学金

大学院に進学した場合は、研究を支援する奨学金が複数あります。

制度名 内容
青山学院大学若手研究者育成奨学金 在籍標準年限(3年)内の授業料全額免除
院生助手制度 月額16万円予定
国際学会支援制度 国内学会7万円/国外学会15万円(年20数件採択)
アーリーイーグル研究支援制度 25万円(前期審査・本学内12件程度採択)

第9章で見るように、青学理工は院進率が高い大学です。これらの大学院給付奨学金は、研究志向の受験生にとって魅力的な選択肢となります。

学業成績優秀者表彰

成績優秀者には別途、表彰制度があります。

金額 2024年度受賞者数
最優秀賞 200,000円 87名
優秀賞 100,000円 82名
奨励賞 50,000円 123名

出典:青学公式「奨学金」ページ

合計292名が受賞している、比較的層の厚い制度です。

みお

「地の塩、世の光」奨学金、200万円ってすごいですね。

さくら先生

はい、4年間で200万円の給付(返還不要)は大きいです。ただし2027年度入学者からの新設で、現時点では実績ゼロという点に注意してください。

しゅん

申請は2026年11月からなんですね。

さくら先生

そうです。記事公開時点で高校3年生の方が、第1回・第2回の申請対象になります。地方出身で自宅外通学を考えている方は、青学公式サイトを定期チェックしておきましょう。

学費+奨学金フロー図(4年間の納入金と利用可能な奨学金パス)

青学理系の大学院進学・就職実績|内部進学93.1%+NTT/日立系SIerと院卒メーカーの二刀流

青学理系の進路は、「学部就職」と「大学院進学→院卒就職」の2つのルートが明確に分かれています。それぞれが独自の強みを持つ「二刀流」構造です。

この章では、9-A(大学院進学)・9-B(学部就職)・9-C(院卒就職)の3ブロックに分けて、データを整理します。

9-A. 大学院進学(学科別院進率・内部進学93.1%)

9-A-1. 理工学部全体 大学院進学率51.7%(318/615・MARCH内でも上位水準)

青学理工学部の大学院進学率は、51.7%(2024年度卒・卒業者615名中318名が大学院進学)です。これはMARCH 5校の同期データの中でも上位水準で、明治理工49.0%(2024年度卒・明治公式)を上回るMARCH内でも上位水準です(取得日 2026-05-25)。

9-A-2. 学科別大学院進学率(2024年度卒)

学科別に見ると、青学理工の研究志向は学部全体に広がっていることがわかります。

学科 卒業者(計) 進学者 進学率
機械創造工 98 67 68.4%
電気電子工 102 65 63.7%
物理科学 65 39 60.0%
化学・生命科学 98 55 56.1%
情報テクノロジー 93 41 44.1%
数理サイエンス 40 15 37.5%
経営システム工 96 31 32.3%
理工学部 合計 615 318 51.7%

出典:青学公式PDF「2024年度進学者内訳」(取得日 2026-05-25)

注目すべきは、機械創造工・電気電子工・物理科学・化学・生命科学の4学科が50%超の院進率を示している点です。特に機械創造工68.4%・電気電子工63.7%・物理科学60.0%の3学科は、学部の3分の2近くが大学院に進学する文化です。

一方、経営システム工(32.3%)・数理サイエンス(37.5%)・情報テクノロジー(44.1%)は院進率が比較的低めです。これらの学科は「学部卒で就職する」割合が高く、進路の傾向が異なります。

社会情報学部は卒業205名中6名が進学(進学率2.9%)で、ほぼ全員が学部卒で就職する学部です。

9-A-3. 内部進学率の高さ(自院296名・93.1%)

青学理工の院進が高い理由の一つが、内部進学(青学院内への進学)の文化です。

進学先 人数 割合
自大学院(青学院内) 296 93.1%
他大学院(国内) 21 6.6%
他大学院(海外) 1 0.3%
進学者 合計 318 100.0%

出典:同上

理工学部の院進者318名のうち、93.1%(296名)が青学大学院に内部進学しています。他大学院への進学は21名(6.6%)、海外進学は1名(機械創造工学科より)のみという構造です。

特筆すべきは、経営システム工学科は院進者31名全員が自院進学(100%)という点です。学部から大学院までの一貫したカリキュラム設計が、内部進学を支えていると考えられます。

9-A-4. 海外大学院進学者(2024年度卒・機械創造工学科から1名)

少数ながら、海外大学院への進学者もいます。2024年度卒では、機械創造工学科から1名が海外進学を選択しました。

数は少ないものの、青学のグローバル教育の伝統と研究志向が組み合わさった結果と言えます。海外大学院を視野に入れたい受験生にとっても、青学理工は選択肢になり得る環境です。

9-B. 学部就職(NTT系SIer・日立系SIerへの就職が目立つ)

9-B-1. 業種別就職傾向(情報通信46.6%・製造17.3%)

理工学部の学部卒就職者の業種別分布は、次のとおりです(2024年度卒・卒業者615名中就職者280名)。

業種 割合
情報通信 46.6%
製造 17.3%
サービス 10.8%
卸売・小売 8.7%
運輸・郵便・インフラ 4.0%
金融・保険 3.6%
教育・学習支援(教員含) 3.2%
公務 2.2%
建設 1.8%
不動産業・物品賃貸 1.4%
その他 0.4%

出典:青学公式PDF「2024年度進路状況」(取得日 2026-05-25)

学部卒の約半数(46.6%)が情報通信業に就職しています。これは青学理工で「IT/SIer業界への就職が目立つ」とされる根拠です。

9-B-2. 学部全体の主要就職先TOP(NTT系14名・日立系13名)

理工学部全体の主要就職先を、業界グループ別に整理しました(2024年度卒)。

■ NTT系SIer(合計14名)

  • エヌ・ティ・ティ・コムウェア(株):8名
  • (株)NTTデータグループ:6名

■ 日立系SIer(合計13名)

  • (株)日立製作所:5名
  • (株)日立ソリューションズ:4名
  • (株)日立システムズ:4名

■ その他大手SIer(合計15名)

  • 三菱UFJインフォメーションテクノロジー(株):5名
  • 伊藤忠テクノソリューションズ(株):5名
  • SCSK(株):5名

■ 電機・自動車メーカー等(合計12名)

  • 日本電気(株):3名/日産自動車(株):3名/スズキ(株):3名/TIS(株):3名

出典:青学公式PDF「2024年度学部別就職決定者数」(取得日2026年5月25日)

9-B-3. NTT系14名+日立系13名のIT/SIer就職が目立つ

注目すべきは、NTT系と日立系の存在感です。

  • NTT系(NTTコムウェア8+NTTデータグループ6):合計14名
  • 日立系(日立製作所5+日立ソリューションズ4+日立システムズ4):合計13名

この2系統だけで27名が就職しており、青学理工学部卒業の就職者280名の約10%を占めます。IT/SIer業界で日本の主力プレイヤーとなる企業群への一定の就職実績が、青学理工学部の特徴です。

9-B-4. 社会情報学部の主要就職先(社会情報学部志望者重点読み)

社会情報学部は、学部卒で就職する文化が中心の学部です(進学率2.9%)。主要就職先は次のとおり。

企業 人数
富士通(株) 4
東京海上日動システムズ(株) 3
(株)日立システムズ 3
(株)日本総合研究所 3
(株)NTTデータグループ 3
伊藤忠テクノソリューションズ(株) 3
エヌ・ティ・ティ・コムウェア(株) 3
アクセンチュア(株) 3
(株)みずほ銀行 2
三井情報(株) 2
住友生命保険相互会社 2

出典:同上

社会情報学部もIT/SIerが上位を占めますが、アクセンチュアや日本総合研究所などコンサル系・東京海上日動システムズなどの金融系IT、みずほ銀行・住友生命などの金融機関も加わるのが特徴です。文理融合学部らしく、ITスキル+ビジネス分野での就職実績があります。

9-C. 院卒就職(理工学研究科の主要就職先)

9-C-1. 理工学研究科はメーカー大手強(日本電気9・本田技研7・富士通6・キヤノン5・リコー5)

理工学研究科を修了した院卒の主要就職先を見ると、学部卒とは大きく違う傾向が現れます。

順位 企業・団体 人数
1 日本電気(株) 9
2 本田技研工業(株) 7
3 富士通(株) 6
3 キヤノン(株) 5
5 (株)リコー 5
5 (株)日立製作所 5
5 三菱電機(株) 5
5 住友重機械工業(株) 5
5 日産自動車(株) 5
12 (株)NTTドコモ 4
12 (株)東芝 4
12 KDDI(株) 3
12 パナソニックオートモーティブシステムズ(株) 3
12 鹿島建設(株) 3
12 日揮ホールディングス(株) 3
12 東京電力ホールディングス(株) 3
12 ソニーグループ(株) 2

出典:青学公式PDF「2024年度理工学研究科就職決定者数」(取得日 2026-05-25)

9-C-2. 学部就職と院修了就職の構造的な違い(SIer中心 vs 完成品メーカー中心)

ここで重要な比較を示します。

項目 学部卒の主要就職先 院修了後の主要就職先
1位 NTTコムウェア(SIer) 日本電気(完成品メーカー)
2位 NTTデータグループ(SIer) 本田技研(自動車メーカー)
3位 三菱UFJIT/日立製作所/伊藤忠TS/SCSK 富士通/キヤノン/リコー/日立製作所/三菱電機/住友重機/日産
業界特徴 SIer中心(システム開発・運用) 完成品メーカー中心(電機・自動車・精密機器)

この違いは、青学理工の進路選択を考える上で極めて重要です。

  • 学部卒で就職する場合:システム開発・運用を担うSIer業界が中心となる
  • 大学院に進学して院卒で就職する場合:研究開発職として大手メーカーへの選択肢が広がりやすい

9-C-3. 「研究したい人は内部進学→メーカー就職」の二刀流ルート

青学理工に進学する受験生は、入学時から以下のキャリアパスを念頭に置けます。

進路 おすすめタイプ 卒業後の典型キャリア
学部卒就職ルート 4年で社会に出たい・経営システム工系の専攻に近い受験生 SIer・コンサル・金融IT・銀行
院進+院卒就職ルート 研究志向・モノづくり志向の受験生 電機メーカー・自動車メーカー・精密機器・通信・建設

「研究志向の理系受験生は、青学に入学して内部進学で大学院に進み、院卒で完成品メーカーに就職する」という王道ルートが、青学理工には用意されているわけです。

特にホンダ7名・日産5名・スズキ(学部卒だが3名)・キヤノン5名・リコー5名・ソニーなど、日本を代表するメーカー群との一定の就職実績は、研究志向の受験生にとって大きな魅力でしょう。

9-D. 全体まとめ

9-D-1. 400社実就職率31位

青学全体の「400社実就職率」は、全国31位(大学通信オンライン2025年春卒・取得日2026年5月)です。MARCH内では明治18位・立教24位に次ぎ、青学31位、中央32位、法政44位という位置関係です。

学部就職と院卒就職を統合した青学全体の就職力は、MARCH内中位ですが、学部別・進路別に分けて見ると、青学理工は院卒メーカー就職で強さを発揮します。

9-D-2. 業種別就職率の長期傾向

学部卒の業種別分布(情報通信46.6%・製造17.3%)を見ると、青学理工はIT/SIer業界の人材輩出に貢献していることが明確です。一方、院卒では製造業(電機・自動車・精密機器)の比重が大きく上がります。

「青学理工に行ったら何ができるか」を、進路2ルートで明確に描けることが、この記事を通じて読者の方々に伝わると嬉しいです。

しゅん

院に行く人がこんなに多いんですね。

さくら先生

そうなんです。青学理工は、学部全体で「研究志向」の文化が根づいています。

みお

学部卒だとNTT系が強くて、院卒だとメーカーが強い…構造的に違うんですね。

さくら先生

はい、これが青学理工の「二刀流」構造です。受験生は入学時から「自分はどちらのルートに行きたいか」をなんとなく意識しておくと、4年間の選択がスムーズになります。

しゅん

院に行くとホンダや日産に行ける可能性が広がる、と。

さくら先生

すべての院修了生がそうとは限りませんが、こうした企業に就職者がいるというのは事実です。「研究したい・モノづくりに関わりたい」受験生は、青学理工の院進ルートを真剣に検討してみてください。

学科別大学院進学率+業種別就職分布

MARCH内ポジション|青学理系の5つの強み

ここまで青学理系のデータを見てきました。第10章では、これらをMARCH 5校の文脈に位置づけ、青学理系の5つの強みとして整理します。同時に、青学以外も比較したい人についても率直にお伝えします(MARCH 5校それぞれの理系キャラクターの比較は、「MARCH理系徹底比較」の記事を参照)。

青学理系の5つの強み

データを総合すると、青学理系は次の5つの強みにまとめられます。

強み1:大学院進学率MARCH内最高水準(理工51.7%・機械68.4%・内部進学93.1%)

青学理工の大学院進学率は、学部全体で51.7%(2024年度卒・MARCH 5校の同期データではMARCH内最高水準)。特に機械創造工68.4%・電気電子工63.7%・物理科学60.0%の3学科は突出しています。内部進学率93.1%という安定した進学パスも、研究志向の受験生にとって安心材料です(青学公式『進学者内訳』2024年度卒)。

強み2:相模原ワンキャンパス×4学部約5,300人の規模

理工・社会情報・地球社会共生・コミュニティ人間科の4学部約5,300人が、淵野辺の相模原キャンパスで1〜4年間を過ごします。1〜4年完結のワンキャンパス+4学部の文理融合=青学独自の「規模」を持ちます。

強み3:入試戦略の自由度(全学部併願特例+A/B方式日程分離+社会情報学部4方式)

理工7学科併願特例(物理選択7学科・化学選択6学科)+A方式とB方式の日程分離(2/10と2/11)+共通テスト利用で、1学科に最大4回挑戦できる設計はMARCH内でも特筆もの。社会情報学部の4方式も加わると、青学理系全体の入試選択肢は非常に多彩です。

強み4:NTT系・日立系SIerへの就職が目立つ学部就職/メーカー大手への院修了就職

学部就職ではNTT系14名+日立系13名のIT/SIer就職が目立ち、院修了では日本電気9・本田技研7・富士通6・キヤノン5・リコー5など完成品メーカーへの就職実績が豊富。進路2ルートで業界が大きく異なる「二刀流」構造が青学理工の魅力です。

強み5:2027年青山キャンパス初の理系学士課程「統計データサイエンス学環」

2027年度新設予定の統計データサイエンス学環は、青山キャンパス初の理系学士課程。5学部連係課程・PBL中心・60名の少人数制で、データサイエンス志望の受験生に新しい選択肢を提供します。これは青学全体としても大きな転換点です。

青学がハマる受験生 3タイプ

これらの強みを踏まえ、青学理系がフィットする受験生は次の3タイプにまとめられます。

タイプ 特徴 おすすめ学部・学科
タイプ1:研究志向 学部卒で就職するより、大学院で研究を深めたい 物理科学・化学/生命・電気電子・機械創造工
タイプ2:受験戦略最適化 複数学科併願+複数方式で合格チャンスを最大化したい 全学部日程併願特例+A/B方式の活用
タイプ3:MARCH内グローバル+キリスト教文化 都心ブランドより、相模原ワンキャンパスでじっくり学びたい 理工どの学科でも・社会情報学部も候補

タイプ1は青学理工の「研究志向」と相性が良く、機械創造工68.4%の院進率に代表される研究文化を享受できます。

タイプ2は青学の入試方式の多彩さを最大限活用できるタイプで、「青学理工を強く志望する」受験生に向きます。

タイプ3は、青学のグローバル教育(海外協定校144校・派遣留学112-132名/年)と、ウェスレー・チャペルに象徴されるキリスト教文化に魅力を感じる受験生です。

青学以外も比較したい人(3タイプ)

逆に、青学理系がフィットしない可能性が高い受験生もいます。受験前に率直に整理しておきます。

タイプ1:「建築を学びたい」受験生

青学理工には建築学科がありません。理工学部7学科(物理科学・数理サイエンス・化学/生命・電気電子・機械創造・経営システム・情報テクノロジー)と社会情報学部のいずれも、建築士法に基づく指定科目を提供していません(青学公式「取得可能な教員免許・資格」ページ・取得日2026年5月)。

建築志望の方は、以下の比較をおすすめします。

  • 明治理工 建築学科:一級建築士全国7位(MARCH内1位)
  • 中央先進理工 都市環境学科:建築・都市デザイン系
  • 法政デザイン工学部 建築学科:少人数で実践的な建築教育

タイプ2:「都心キャンパスで4年間学びたい」受験生

青学理系は1〜4年間が相模原キャンパス(神奈川県)。「都心の青学キャンパスに通いたい」「渋谷で大学生活を送りたい」という動機で受験すると、入学後にギャップを感じます。

都心理系キャンパスを希望する場合は:

  • 立教 理学部:池袋キャンパス(東京都豊島区)・1〜4年完結
  • 明治 理工 中野キャンパス:総合数理学部のみだが中野立地

タイプ3:「学部卒でメーカー技術職を最優先したい」受験生

青学理工は内部進学率93.1%・院進率51.7%で、院進前提の色が強い学部です。「学部卒でメーカー技術職に就きたい」受験生にとっては、青学理工はやや方向性が違う可能性があります。

学部卒メーカー就職に強い大学は:

  • 明治理工:学部卒就職比率がやや高い・自動車メーカー多数
  • 芝浦工大:400社実就職率全国7位・学部就職前提の文化

ただし、青学経営システム工学科は学部卒就職率約65%(進学率32.3%)と、青学理工内では学部就職比率が比較的高い学科です。「青学理工がいいけど学部卒で就職したい」受験生は、経営システム工も検討候補に入ります。

みお

青学の良さがわかってきました。私は研究志向だから、機械創造工とか面白そうです。

さくら先生

いいですね。機械創造工は68.4%が大学院に進学するので、自然に研究志向の同級生に囲まれた4年間を過ごせます。

しゅん

自分は建築志望だから、青学は候補から外れちゃいますね。

さくら先生

そのとおりです。建築なら明治・中央・法政を比較しましょう。「MARCH理系徹底比較」や「明治大学理系」の記事も参考にしてください。


校風・学生生活|English Coreと相模原ワンキャンパスの日常

第10章で青学理系のポジションを整理しました。最後の本論章では、青学理系の日常に光を当てます。理系学生にとってのEnglish Core必修、相模原キャンパスの学生生活、キリスト教教育との接点を見ていきましょう。

校風の特徴(キリスト教主義+グローバル+自由)

青学の校風は、3つの軸で語られます。

  1. キリスト教主義:建学150年超・メソジスト派・サーバントリーダー育成
  2. グローバル:海外協定校144校・英語開講252科目・留学生40ヶ国
  3. 自由:少人数教育+PBL重視+研究室の自由度

理系学生は相模原キャンパスで過ごしますが、青学全体の校風が日常に染み込んでいるのを実感できる環境です。特に第11-2のEnglish Core必修と、第11-3のキリスト教教育は、理系学生にも直接届く文化的要素です。

理工学部「English Core」必修

青学理工の特徴的な要素が、理工系英語教育の本格度です。

理工学部全学生に「English Core」が必修として課されており、構造は次のようになっています。

学年 科目名 内容
1年次 English for General Purpose 一般英語の基礎・聞く/話す/読む/書くの4技能
1年次 English for Academic Purpose 大学英語・学術的読解と発信
2年次 English for Specific Purpose 理工学系英語・論文読解・専門用語
  • クラス規模:約30人クラス
  • 教室:アクティブラーニングCALL教室(Computer Assisted Language Learning)
  • 学習形態:E-ラーニング併用・1年次から短期海外語学研修可能

この構造は、「理系でも英語を本気で学ばせる」という青学の方針を象徴しています。MARCH他校の理系学部と比べても、English Coreの体系性は際立っています。

加えて、青学理工には「理工学国際プログラム」という、実践的英語カリキュラム+海外留学幅広サポートの選択肢もあります。「理工系で世界に出たい」受験生にとって、青学は有力な候補です。

キリスト教教育の理系学生への接点

青学のキリスト教教育は、理系学生にも自然に接します。

項目 内容
場所 C棟ウェスレー・チャペル(相模原キャンパス内)
設備 ステンドグラス・カリオン・パイプオルガン
礼拝 任意参加・希望者のみ
科目 キリスト教関連学科目(教養科目として開講)
学生団体 青山キリスト教学生会(A.C.F.)

礼拝への参加は完全に任意です。「キリスト教には興味ないけど、青学の研究室で学びたい」という受験生も、特に圧力なく研究に没頭できます。一方、「青学らしさを体感したい」と思えば、ウェスレー・チャペルに足を運んでみることもできます。

建学150年超の歴史を持つキリスト教教育は、青学の校風の骨格をなしますが、理系学生にとっては「選択肢として用意されている」と理解するのが実態に近いでしょう。

学園祭(青山祭・相模原祭)

青学の学園祭は、青山と相模原で別々に開催されます。

  • 青山祭:青山キャンパス(渋谷区)・文系7学部主体
  • 相模原祭:相模原キャンパス(淵野辺)・理工・社会情報・地球社会共生・コミュニティ人間科の4学部主体

相模原祭は4学部約5,300人の規模で実施され、サークル展示・学術発表・模擬店など、ワンキャンパスならではの一体感があります。

駅伝部・体育会の伝統

青学といえば「箱根駅伝の青学」のイメージを持つ方も多いでしょう。青山学院大学陸上競技部(長距離ブロック)は近年、箱根駅伝で好成績を残し続けています。詳細は青学スポーツの外部団体サイト(AOYAMA SPORTS等)で確認できます。

体育会全般としても活発で、相模原キャンパスにはA棟アリーナ(バスケ・バレー・バドミントン対外試合可)・V棟スタジアム(神宮球場と同仕様)・P棟屋内練習場が整っています。理系学生も部活動・サークル活動を充実させられる環境です。

しゅん

英語必修なんですね。理系でも英語が本格的。

さくら先生

はい、青学は理工系でも本気の英語教育を提供します。「英語苦手だから理系」というだけで青学を選ぶと、E-ラーニングや論文読解で苦労するかもしれません。逆に「理系でも英語を伸ばしたい」受験生には、相性の良い環境です。

みお

チャペルもあるんですね。理系のキャンパスに。

さくら先生

そうですね。MARCHの本格的なチャペルは青学(相模原)と立教(池袋)の2校にありますが、青学相模原は理系学生が日常的に通うキャンパスにある点がユニークです。建学150年超のキリスト教教育の伝統が、相模原にも届いていることの象徴と言えるでしょう。


よくある質問(Q&A)

ここまで青学理系を多面的に見てきました。最後のセクションでは、受験生・保護者からよく寄せられる10の疑問にお答えします。

Q1. 青学理工と芝浦工業大学、どちらを選ぶべきですか?

両校は性格が大きく異なります。

青学理工:相模原ワンキャンパス・研究志向(院進51.7%)・IT/SIer就職が目立つ・MARCH内中堅難易度(偏差値55.0〜60.0)

芝浦工業大学:豊洲・大宮の2キャンパス・400社実就職率全国7位(MARCH全校より上)・学部卒就職比率が高い・4工大トップの難易度(偏差値52.5〜57.5)

「研究したい」なら青学理工、「学部卒で大手就職したい」なら芝浦工大が有力。詳しくは「芝浦工業大学」の記事と本記事をご比較ください。

Q2. 青学で建築は学べますか?

いいえ、青学に建築学科はありません。建築士法に基づく指定科目も提供されていません。建築志望なら、明治理工・中央先進理工・法政デザイン工建築学科を比較してください(「MARCH理系徹底比較」の記事参照)。

Q3. 「地の塩、世の光」奨学金は今すぐ使えますか?

いいえ、2027年度入学者からの新設制度です(記事執筆時点での採用実績はゼロ)。申請受付は2026年11月から・支給開始は2027年4月入学者から。現在の高校3年生(2026年度に受験する学年)からが対象となります。詳しくは第8-3をご覧ください。

Q4. 相模原キャンパスから渋谷の青学キャンパスへ移動することはありますか?

理工・社会情報学部の必修科目は基本的にすべて相模原キャンパスで完結します。青山キャンパスに行く必要はほぼありません。

例外として、青山キャンパスと遠隔授業可能な施設があり、大学院ゼミや特別講義などで一部利用される場合があります。とはいえ、日常的な通学は淵野辺駅徒歩7分の相模原キャンパスのみと理解して問題ありません。

Q5. 個別学部A方式とB方式の違いと、どちらを選ぶべきですか?

両方式は試験日も配点も大きく異なります。

  • A方式(2月10日):英150点+数150点+理150点=計450点のバランス型
  • B方式(2月11日):英100点+数200点+理200点=計500点の数理偏重型

英語が得意なら A方式、数学・理科が得意なら B方式が相性良好。日程分離で両方併願可能なので、迷う場合は両方受験するのも有効です。詳しくは第7-3〜7-5をご覧ください。

Q6. 全学部日程の併願特例は具体的にどう使いますか?

物理選択者なら理工7学科、化学選択者なら6学科(物理科学を除く)のうち、1回の試験で2〜3学科を同時出願できます。志望順位を付けてWeb出願し、各学科で個別に合否判定されるため、合格チャンスを増やせる制度です。詳しくは第7-2をご覧ください。

Q7. 青学理工の大学院進学率が高いのは内部進学があるからですか?

はい、その面が大きいです。理工学部の進学者318名のうち93.1%(296名)が青学大学院に内部進学しています。学部から大学院までの一貫したカリキュラム設計・指導教員の継続性・推薦制度の存在が、内部進学の高さを支えています。

ただし、大学院進学率51.7%という数字自体は内部進学の有無に関わらず、明治理工49.0%を上回るMARCH内でも上位水準です。「研究志向の文化×内部進学の利便性」の組み合わせが、青学理工の特徴と理解してください。

Q8. 社会情報学部は文系?理系?どちらの受験生に向いていますか?

社会情報学部は「文理融合学部」です。「文系」「理系」のどちらかには分類されません。

カリキュラムは社会科学・人間科学・情報科学の3分野融合で、入試方式も多彩です。

  • A方式(共テ併用):文系受験生も挑戦可能(国語+地理歴史・公民・情報で受験可)
  • B方式(独自数学・数Ⅲなし):数学得意な文系・理系両方
  • C方式(独自数学・数Ⅲ含む):理系の数学得意者向き
  • D方式(総合問題):思考力・論述力重視の受験生

「文理融合で学びたい」「データサイエンスとビジネスを両立したい」受験生に向きます。

Q9. 青学理工と中央理工系、どちらを選ぶべきですか?

両校はキャンパス・学部体制・特色が大きく異なります。

青学理工:相模原ワンキャンパス・7学科体制・研究志向(院進51.7%)・IT/SIer就職が目立つ・MARCH内中堅難易度・グローバル教育の伝統

中央理工系:2026年から基幹理工・社会理工・先進理工の3学部体制に再編・後楽園キャンパス(東京都文京区)・偏差値レンジ52.5〜62.5・国際情報学部もあり

「相模原で研究志向の理工学を学びたい」なら青学、「都心後楽園で2026年再編の新理工学を学びたい」なら中央が候補。中央大学理系の個別記事も今後公開予定です。

Q10. 青学理工と法政理工、どちらが難しいですか?

偏差値レンジで比較すると、青学理工55.0〜60.0/法政理工52.5〜57.5(河合塾Kei-Net 2026年度予想ボーダー)で、青学理工の方が約2.5ポイント上です。情報テクノロジー学科B方式(青学)や建築学科T日程(法政デザイン工)といった人気学科では、ほぼ同水準のケースもあります。

特色面では、青学理工は研究志向(院進51.7%)が強く相模原ワンキャンパス、法政は理工・生命科学・情報科学・デザイン工の4学部体制で多様な選択肢があり小金井キャンパスを中心に展開します。「研究志向か多様性か」で選ぶのが現実的です。詳細な比較は「MARCH理系徹底比較」の記事を参考にしてください。


まとめ|青学理系は「研究志向・受験戦略・就職力」で選ぶ

長い記事をお読みいただきありがとうございました。最後に、青学理系の輪郭を振り返ります。

青学理系は、「渋谷の青学」のイメージで語られがちですが、その実態は神奈川県の相模原キャンパスで1〜4年間を完結する「研究志向の理工学部+文理融合の社会情報学部」です。データを追うと、次の3つの核が浮かび上がります。

  • 研究志向の理工学部:大学院進学率がMARCH内でも上位水準。機械創造工・電気電子工・物理科学では学部の6割超が大学院へ。
  • 二刀流の就職構造:学部卒はNTT系・日立系のSIer、院修了は本田技研・日本電気・キヤノン等のメーカーへ進む道が開かれている。
  • 受験戦略の自由度:A方式・B方式・全学部日程・共通テスト利用の複数方式から、自分の得意分野に合わせて選べる。

選び方の軸は、シンプルに整理すると次のとおりです。

  • 英語が得意なら → 配点バランスの良い個別学部A方式
  • 数理が得意なら → 数理偏重型の個別学部B方式社会情報C方式
  • 地方出身で自宅外通学予定なら → 2027年度新設「地の塩、世の光」奨学金(年50万円×4年・約350名予定)

加えて、2027年度には青山キャンパス初の理系学士課程「統計データサイエンス学環」が設置予定。データサイエンスを文理融合で学びたい受験生にとって、青学は新しい選択肢を提示しようとしています。

一方で、建築志望・都心キャンパス志望・学部卒メーカー就職志望の方は、明治・中央・法政・芝浦工大なども比較してみてください(第10-3参照)。

ぜひ模試の成績やご自身の学びたい分野と照らし合わせて、最終的な志望順位を決めてください。この記事が、青学理系という選択肢を立体的に捉える助けになれば嬉しいです。応援しています。

しゅん

青学理系の輪郭が見えてきました。機械創造工の院進率や、2027年度新設の統計データサイエンス学環など、調べないと見えてこない強みが多い大学なんですね。

さくら先生

そうですね。データを丁寧に追うと、青学理系の独自性が見えてきます。


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注記:記事内データの取得日一覧

データ 出典 取得日
偏差値(河合塾基準) 河合塾Kei-Net(2026年度予想ボーダー・第1回/26/01/21更新) 2026年5月19日
学費(2026年度入学者対象) 青学公式PDF「2026年度入学者学費等一覧」 2026年5月25日
2025年度入試結果(実質倍率) 青学公式PDF「2025年度入学者選抜結果」 2026年5月25日
2026年度入試要項(試験科目・配点) 青学公式PDF「2026年度入学者選抜要項」 2026年5月25日
大学院進学率・進学者内訳(2024年度卒) 青学公式PDF「2024年度進学者内訳」 2026年5月25日
業種別就職・主要就職先(2024年度卒) 青学公式PDF「2024年度進路状況・学部別就職決定者数」 2026年5月25日
理工学研究科 主要就職先(2024年度卒) 青学公式PDF「2024年度理工学研究科就職決定者数」 2026年5月25日
学科別看板研究室 青学公式 各学科ページ 2026年5月25日
統計DS学環概要 青学公式「statistical data science」特設サイト 2026年5月25日
地の塩、世の光奨学金 青学公式「奨学金」ページ 2026年5月25日
相模原キャンパス施設 青学公式「キャンパス案内」 2026年5月25日
国際性データ(協定校・派遣留学等) 青学公式「国際センター」 2026年5月25日
相模原キャンパス4学部 在籍学生数(2025年5月1日時点) 青学公式PDF「学生数(学生定員・在籍学生数・収容定員充足率)[学部]2025年度」 2026年5月26日
淵野辺駅→町田・長津田 所要時間 青学公式「2キャンパス間アクセス」 2026年5月26日
淵野辺駅→新宿・渋谷・横浜・八王子 所要時間(参考) Yahoo!路線情報(transit.yahoo.co.jp・平日昼間検索値) 2026年5月26日
MARCH 5校 4年間学費総額 当ブログ「MARCH理系徹底比較」4年間総額ランキング 2026年5月
400社実就職率31位 大学通信オンライン「2025年春卒・400社実就職率ランキング」 2026年5月
一級建築士関連(青学に建築学科なし) 青学公式「取得可能な教員免許・資格」/文部科学省 建築士法 2026年5月25日

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